深掘り『男はつらいよ』 ― 寅さん映画の神髄とは

  1.はじめに   主に昭和の時代に制作されたこの映画は、過去のものとなりつつあり、昭和生まれの私には慣れ親しんできた物語であっても、今の若い人たちには馴染みが薄いだろう。   今の時代は不寛容であり、人間関係は希薄化 … 続きを読む

間違えたり、しらばっくれたり、しらを切ったり

最近の私は、AIのハードユーザーと化している。 Webサイト作りのプログラム開発はもちろん、ありとあらゆる場でAIを活用している。   先日GeminiとCopilotに二股をかけることによって、はじめてプログラミングが … 続きを読む

縦書きか横書きか ― 日本語の悩み

「手書きの温もり」という表現は、手紙において最も説得力をもつように思う。 私の銀行勤め時代の後輩は、昔から時々、封書で手紙を送ってくれる。 しかも和紙の縦書き便箋を使っている。 最近になってパソコン印刷になったが、手書き … 続きを読む

その人にしか創れないもの

思い出す限り、私が人生で最初に「創作らしき体験」をしたのは、小学五、六年生の頃だった。 通っていた小学校の校門のすぐ脇には大きなヒマヤラ杉が立っており、私はそれを絵の具でスケッチした。 なぜかその絵がどんなものであったか … 続きを読む

春の門出と人生航路

今年も入社式の季節がやってきた。 テレビで報道されるさまざまな会社の入社式風景は、とてもノスタルジックだ。 何と言っても社会人としての第一歩を踏み出す瞬間である。 昔と違うのは、どこの会社でも外国人を数名採用しているケー … 続きを読む

「偉人」という言葉への疑い ― なぜ私たちは権力者の物語に酔ってしまうのか

今放送されているNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』に始まり、テレビや映画で歴史上の偉人を取り上げた作品は昔から数多くある。 私はこの類の作品を見るたびに、複雑な思いにとらわれる。 「偉人とは何か」という、歴史を振り返る際の基 … 続きを読む

しゃべることと書くことは同じではなかった

noteはnoteでも、Speechnotesと(スピーチ・ノート)言うPCでもスマホでも動くソフトがあるのだが、つい最近になって初めて試してみることにした。 いま流行りの「音声文字起こし」専用ソフトである。 スマホでA … 続きを読む

スマホ時代に子供を守るということ

昨年末、オーストラリアでは16歳未満の子供がSNSアカウントを持つことが禁止された。 特に12〜15歳は脳と心の発達段階にあり、メンタルヘルスへの影響が大きいという医学的根拠に基づいた措置だ。   成長への悪影響にとどま … 続きを読む

生きていて恥ずかしいと思わないのだろうか

毎日のニュースでは、詐欺事件が頻繁に報道されている。 金をだまし取ったり、若い女性を言葉巧みに誘い、時には暴力までふるって水商売や売春をさせ、金をむしり取る男たちが後を絶たない。   私はホームページの運用歴が四十五年近 … 続きを読む

心の中に飾る錦

『男はつらいよ』の第七作「奮闘篇」には、三十数年ぶりに寅を産んだ母が葛飾柴又のとらやを訪ねる場面がある。 寅さんは、とらやの主人の兄が芸者に産ませた子であり、その母という人は、寅さんを母として育てたことのない女性だった。 … 続きを読む

他愛もない日の、かけがえのない幸せ

「他愛もないことの繰り返し」――それこそが、人生の営みの中でふと感じる、ほのかな幸せなのだと思う。 妻が具合が悪かったので、娘が家事を手伝いに来てくれ、私と一緒にスーパーに買い物にも行った。 本当に幸せで楽しい時間だった … 続きを読む

飛行中のコックピットを尋ねた日々

2001年にアメリカで発生した同時多発テロ以降、世界中で旅客航空機内のセキュリティは大幅に強化され、コックピット(操縦室)は常時施錠され、立ち入り制限が厳重に課されるようになった。 乗客はもちろん、許可された関係者以外は … 続きを読む

「懐かしさの原風景」

テレビや映画を観たり、人の話を聞いたりして「ああ、懐かしいなぁ」と思うことがよくある。 ふと思ったのだが、懐かしさの原点は人によってさまざまなのではないか。 幼少期、小学校に通っていた頃、元気いっぱいの高校時代、大学で過 … 続きを読む

二股をかけることが推奨されるAIの世界

今般Okapi noteの立ち上げには、少しでもnoteに近づきたいとの思いがあったし、「ユーザー参加型ブログ」という機能単体のサイトになるため、気合を入れて初めてWordPressと言う仕組みを使って構築することになっ … 続きを読む

航空機のチェックリストに魅せられて

四十代の初め、私は航空機マニアだった。 エアライン・パイロット、つまりどこかの航空会社の定期路線を飛ぶパイロットに憧れ、来世に生まれてくるときには必ず国際線のジャンボジェット機のパイロットになると決めていた。   航空機 … 続きを読む

旧交を温めないという選択

「旧交を温める」という言葉があるが、私にはなどうにも苦手な行為だ。 小学校時代から「同窓会」と名の付くものには一度も参加したことがない。 長年勤務した銀行の同期会も毎年開催され、今でも招待メールが届くが、これなどは特に絶 … 続きを読む

地図に刻まれた、一年間歩いた朝の五キロ

ゴミ拾い散歩を始めて、そろそろ一年になる。毎朝、ほぼ二時間かけて五キロ近くを歩いている。 拾いながら歩くので、距離のわりに時間がかかる。 レジ袋とトングを以って妻と二人で歩く時間は、精神的にも健康的にもとても良い機会にな … 続きを読む

最後に形見となったのは、日々書き綴ってきた言葉だった

私はなにかと変わったことをする人間だが、その一例として、世を去ったときのために準備したものがある。 この一年間をかけて、私は誰よりも「自分のため」に、そしてもしかしたら「私を知る人のため」にもなるかもしれない形見を完成さ … 続きを読む

やりたいことは、すべてやった

「あれもやりたかった、それもやりたかった、だけど、たいしたことは何もできなかった」と言う人がいる中で、いまを穏やかな気持ちで生きている私は、「本当にやりたいことはすべてやった」と感慨深い思いに浸ることがある。   そのた … 続きを読む

韓国人の感情を映すパンソリ──恨(ハン)が教えてくれた心の深層

私は韓国と韓国人が大好きで、韓国人の理解者だと思っている。 しかしすべての日本人がそうではない。 だが、韓国人の感情のルーツを知れば、その思いは大きく変わるに違いない。    仕事でアジアの国々を何度も訪れたが、その中で … 続きを読む

借り物の言葉では生きられない ― 「コピペ」より「新規作成」

SNSが選挙の結果を左右する時代になった。 人々はSNSの情報を次々と転送し、SNS自体もその転送情報を再転送している。 またWeb上の記事を引用したり、それをSNSで紹介したりする人も多い。   私は、SNSを情報源と … 続きを読む

風前の煙

タバコ吸わない人にはどうでもいい話だと思うが、まだ15%いる喫煙人口が社会に与えている影響は決して小さくなく、吸わない人も推移を見守らなくてはいけない。   タバコはそのうちすっかり姿を消すことだろう。 私が毎日二時間の … 続きを読む

旅は「違和感」から始まる ― 世界が近くなる瞬間

旅に出ると、必ず心のどこかで必ず小さな「違和感」を覚えるものだ。 それは確かに不快ではあるが、同時に世界が広がる前触れでもある。   さまざまな国を訪れると、まず興味を惹かれるのは料理だ。 どんな味であれ、その土地の人々 … 続きを読む

悪道を歩くと顔が悪くなる

虚しい競争に心を奪われた時期があった。 あの頃の私は、顔つきまで変わっていた。 生き方は、いつのまにか表情に刻まれていく ―― そんな当たり前のことに、私は長い時間をかけてようやく気づいた。 毎晩のテレビ・ニュースを賑わ … 続きを読む

人生は眠りの中でみる夢であり、死は再び戻る眠りである

一見すると哲学とは縁のない娯楽映画『男はつらいよ』第24作を観ていたとき、柴又の帝釈天の御前様が法要の席の雑談でシェークスピアの言葉を引用する場面があった。   「生きている間は、ただの夢にすぎない」(Life is b … 続きを読む

段取りの鬼と、整えの天使

私は、基本的に完璧主義で、手掛けた物は途中で投げ出すことはしない。 だから何亊もあらかじめ先に手を打って、完璧に成し遂げることに万全を期そうとする。 それは私の性分である。 今日はここまでで良いとされるものがあれば、必ず … 続きを読む