飛行中のコックピットを尋ねた日々

2001年にアメリカで発生した同時多発テロ以降、世界中で旅客航空機内のセキュリティは大幅に強化され、コックピット(操縦室)は常時施錠され、立ち入り制限が厳重に課されるようになった。 乗客はもちろん、許可された関係者以外は入れないようだ。 この結果、以前は航空会社によっては快く許してくれた飛行中のコックピット見学は、ほぼ全面的に禁止されている。

 

私はその直前の1998年、1999年および2000年の3回にわたり、コクピット見学を体験することができた。 当時は客室乗務員にお願いすると、コックピットのクルーに問い合わせてくれ、巡航中であれば快く応じてもらえた。 今から考えるとまるで嘘のような話だ。 当時は熱心に航空機マニア活動をしていたうえ、仕事で海外出張に行く機会も多かったため、その際に見学を申し出ていた。 ここに掲載する画像は、今となっては大変貴重な記録である。

 

ボーイング747-400は、煩雑で数多くのアナログ計器と別れを告げ、グラスコックピットを採用し、PCのようにディスプレイに映し出される画面から情報を得るようになった。 747-400が登場してまだ十年ほどの当時は、旧型の747-300も飛んでおり、航空機関士が必要だった時代の懐かしい姿にも出会えた。

 

惜しむらくは、撮影したデジカメのオリジナルファイルが残っておらず、ホームページ掲載用に縮小した低画質の画像しか手元にないことだ。

 


 

1998年9月20

航空会社・便名:日本航空JL719便(成田~シンガポール)

機体:Boeing747-300

 

航空機関士のTさん。740-300までは航空機関士が搭乗する必要があった。

 

 


 

1999年3月14

航空会社・便名:日本航空JL719便(成田~シンガポール)

機体:Boeing747-300

 

 


 

2000年2月23

航空会社・便名:シンガポル航空SQ012便(成田~シンガポール)

機体:Boeing747-400

 

 


 

同時多発テロ事件があって、セキュリティ強化のためこのような体験はもはや過去のものとなってしまったのは、航空ファンとしては大変残念なことだ。

 

1996年11月23日にエチオピア航空961便で発生したハイジャック事件は良く知られている。 犯人が爆弾を所持しているとパイロットを脅し、目的地まで飛行させようとしたが、燃料が不足していたため海上に着水し、搭乗者175人のうち123人が死亡する結果となった。

 

それに対し、同時多発テロでは、事前に操縦訓練を積んだ犯人がクルーを殺害し機体を乗っ取り、自ら操縦してターゲットに突入した。 これは、コックピットに部外者を入れること自体が極めて大きなリスクであることを世界に強く知らしめる出来事となった。

 

もう二度とコックピット見学が許されることはないだろう。

 

 

 

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