私は今日も空を見上げている

私は大の天文ファンである。かつては天体観測だけでなく、天文物理学にも惹かれ、素人の及ぶ範囲内ではあったが、その真理を探ろうとした時期もあった。   星空を仰いでいるときは、地球上で起こっているさまざまな不快な出来事が頭の … 続きを読む

左手には左手の音楽がある

脳内出血で右半身に麻痺が残りながらも、左手だけの演奏で復帰した世界的ピアニスト、舘野泉(たての いずみ)さん。 ジストニアによって右手が不自由になった後、左手のためのピアノ音楽の普及活動を続けながら、自らも演奏活動を続け … 続きを読む

故郷という場所

誰にも懐かしい故郷という場所があるだろう。そこに身を置くだけで心が安らぎ、離れて暮らしていても折に触れて思い出す。そんな特別な場所だ。   私は大分県別府市で生まれ、東京の田無市で過ごした後、三歳のころに東京の練馬へ移り … 続きを読む

道路の先の廃屋

私の住む飯能市では、新しい道路が次々と造られている。そのなかでも、私が開通を心待ちにしているのが、全長4キロメートルの新しい道路である。両側にはゆったりとした歩道が整備され、完成すれば市内の交通の流れも大きく変わるだろう … 続きを読む

「まぁいいや。なんてことはないんだよ。」

私にとってバイブル的存在である山田洋次監督の「男はつらいよ」は、単なる娯楽映画ではなく、人間として生きる上での大切な教えに満ちている。その教えを挙げ始めたら、羅列するだけでもひとつのエッセイには収まりきらないだろう。   … 続きを読む

休む国と働く国

今年2026年の9月は、11年ぶりに「シルバーウイーク」と呼ばれる大型5連休が成立した。さらに8月も、有給をわずか2日加えるだけで9連休となる暦の並びで、今年は「連休の当たり年」とさえ言われている。 こうした連休の増加は … 続きを読む

人生の最後の1キロを走るために

五十代で脳出血に倒れ、救急搬送されて三ヶ月入院した知人がいる。退職後も脳梗塞と脳出血を繰り返し、数か月前には再び脳梗塞を発症した。今では聴力を完全に失い身体もほとんど動かせなくなった。 高級SUVをローンで購入し、夫婦で … 続きを読む

たった一人の理解者

人生に行き詰まって立ち止まることは、誰にでもあることだ。   本当に自信があったら、立ち止まったり振り返ったりはしないだろう。 だが、現実にはなかなかそうはいかない。 面倒なことに、自信と不安は常に背中合わせだ。自信とは … 続きを読む

祖国を離れる理由・戻らない理由・こだわらない理由

人がどこに住むかという選択は、普遍的な感情ではなく、個人の経験と状況によって大きく揺れ動く。 祖国を選ばない人 ―― 魅力による移住   海外留学や旅行をきっかけに滞在先の文化に惹かれ、そのまま定住してしまう人は少なくな … 続きを読む

「今日も生きて、物語を続けよう」というメッセージ

会社の同僚であろうと友人であろうと、人にはウマが合わない相手がいるものだ。ましてや何かで意見が衝突して嫌な思いをさせられた相手に対しては、嫌悪に近い感情を抱くこともある。「おだやかに、優しく、そして謙虚に」と自分言い聞か … 続きを読む

もう送らないと決めたラブレター ―― 山田洋次監督へ

『男はつらいよ』の感想文の形となったエッセイを、私は印刷して山田洋次監督宛てにファンレターと共に送った。 どうしても私の感動を伝えたかったのだ。   深掘り『男はつらいよ』 ― 寅さん映画の神髄とは   しかし、投函した … 続きを読む

ヒエラルキーの呪縛を超え、矜持を貫く

小説でも映画でもテレビのドキュメンタリー番組でも、描かれる「人生の優等生コース」は、一流企業に就職し、人より早く出世して、課長になり、部長になり、取締役になるというサクセス・ストーリーである。   出世の終着点は、常務、 … 続きを読む

最後に形見となったのは、日々書き綴ってきた言葉だった

私はなにかと変わったことをする人間だが、その一例として、世を去ったときのために準備したものがある。 この一年間をかけて、私は誰よりも「自分のため」に、そしてもしかしたら「私を知る人のため」にもなるかもしれない形見を完成さ … 続きを読む