私はCPAP(シーパップ)と言う装置を愛用している。 睡眠時無呼吸症候群を防ぐ為の簡単な小さな医療装置だ。
数年程前に訪れた病院で、ホルター心電図と言う「胸に電極を貼って心電図などを記録して脈拍や不整脈の有無を調べる」装置を24時間装着させられた。 その結果寝ている間に呼吸が停止する事がある事がわかり、このCPAPと言う装置を勧められた。
小さな枕元に置ける装置で、装置から出ているホースの先に付いた鼻マスクを夜寝る時に装着するものだ。 装置から、わずかに圧力がかかった空気が送られているので、楽に呼吸する事が出来るし、呼吸が止まる事がなくなるのだ。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心不全や不整脈につながり、放置すると突然死のリスクが高まると言われている。 このCPAPを使用する事でこの問題がほぼ完全に回避できるので、近年急速にその利用が広まっているそうだ。
装置の中にはSIMカードが入っていて、使用状況と呼吸の状態がリアルタイムでメーカーに送られ、それが主治医の元へレポートされる仕組みになっている。 毎月主治医に定期診断に訪れる際にその結果を知らせるのだが、一時的な呼吸停止は1時間に1回前後しかなく実質完全に回避出来ていた。 このCPAPの威力は驚きで、急速に世に広まった訳が納得出来る。
この装置はメーカーからレンタルされて、使用料も含めて月当り数千円の医療費として定期診断時に請求されるだけだ。
もう既に4年近く愛用しているが、もはや絶対手放せない装置となった。 それは医療上必須だからではなく、私の使用感上のメリットが余りにも大きいからだ。 とにかく眠りが深く快眠出来るのだ。 そして夜中のトイレの回数が劇的に減る。 私の場合、歳のせいで冬の寒い季節は夜寝ていて必ず何回かトイレに起きる。 ひどい時は4~5回も起きる事がある。 それがCPAPを付けて寝ると1回か全く起きない日もあるのだ。
また、寝つきも良くなる。 夜ベッドに入って装着するとそのまま穏やかに眠りに引き込まれて行くのだ。 気道を塞がないので、いびきも解消する優れものだ。 鼻マスクをするので、口はしっかり閉じて鼻だけで呼吸をする。 慣れれば全く問題ない。 健康上の問題が有る無しに拘わらず、使用する事のメリットが大変大きい装置だと確信する。
これから使用を考えている方の参考にご紹介するのだが、実はこの4年間の間に、二度ほど使用上のトラブルがあった。
最初は、一年程全く問題なしに使用していたのだが、ある時から急に朝起きると鼻の奥が沁みてとても不快になった。 使用を何日かやめて見ると治るのだが、また使用を開始すると同じ症状になる。 主治医に相談したが、首をかしげるだけで、鼻の穴にワセリンを塗って乾かないようにして見たらどうだろうと言われるだけだった。 これは困ったと思いながら家で装置を弄り回していたら、装置の裏側に空気の吸入口があった。 その蓋を開けてみてびっくりした。
中に小さな(2cmx5cm程度)フィルターの紙が入っていたのだが、それが埃とカビでむっくりと膨れ上がっていたのだ。 「ゲッ!」と驚いた。 こんな物を通った空気を吸っていたらひとたまりもないのは素人でも分かる。
(左が汚れたフィルター、右が未使用の物)
新しいフィルターに交換したら一発で問題は解消した。 この装置のメーカーに電話したところ、すぐに交換用フィルターを郵送してくれたが、2~3ヶ月に一度は交換が必要だと初めて言われた。 当初からそのような説明はされていないし、定期的に交換フィルターを送って来る事すらしていない。 また主治医もそこまで感知していなかったのだ。
もう一つのトラブルは、この冬発生した。 今度は朝起きると鼻水が出て来て一日中ティッシュが手放せなくなった。 また大きなくしゃみが出始めると十連発近く止まらない。 素人にも鼻炎だとわかる。 フィルターをチェックしたが綺麗で、念の為新品と交換して見たが関係なかった。 もうこれしか方法はないと思ったのが「加湿機能」の利用であった。
水チャンバーと言う装置の横に取付けられる小さな透明プラスチック製の水タンクが用意されている。 これを利用するかしないかは自由だ。 メーカーから送られてきたバッグの中には入っていたが、一切説明は受けていなかったのでこの4年間一度も使用した事がなかった。 恐る恐るメーカーに電話して使用法の説明を受けた。 使用法は簡単だった。 水を小さなチャンバーに入れて装置の横に差し込んで使うと、吸入する空気が少し温かくなるとの説明だった。
私は水が温められるなら水蒸気分があると言う事なので、鼻の中の湿度が上がり効果があるような気がして、期待を込めて試してみた。 一発で問題は解消した。 過去の冬は何故水チャンバーの使用無しで問題がなかったのかは分からないが、加齢もあって必要となったのかもしれない。 とにかくこれで安心した。
こんな事があったので、何か見落としている物がないか調べてみる事にした。そしたらつい最近になってもうひとつ素晴らしい機能があった事が分かった。 メーカーに請求すれば消耗品パーツを送ってくれるのだが、以前にホースが古くなって来たので送ってもらった新品ホース(端末から鼻マスク迄の間のホース)が従来の物よりごわごわして固かったので、取り敢えず使わずに取って置いたのを思い出した。
それを取り出して念の為なぜ固いのか調べてみた。 ホースの根元には従来品にはない電極の金属が付いていた。 これですぐにピンと来た。 インターネットから説明書をダウンロードして確認してみたら、予想通りホースの周りにヒーターが付いている加温機能付ホースだったのだ。 吸気の加温用だったのだ。 これを使ってみたら快適その物だ。 温かい吸気になって更に心地良い夢寝心地になった。 何でこんなに大切な事を幾つも説明一つしてくれなかったのだろうと改めて驚いた。
最初からメーカーは「フィルターは必ず定期交換が必要」、「空気が乾燥する冬場は水チャンバーを使用すると良い」、「寒い冬はヒーター機能付のホースを使うと良い」と言う説明をきちんとするべきだった。 いずれにしろ、メーカーの「聞かれなければ説明もしないし、満足な説明書も添付しない。物を送り付けるだけ。」と言う不親切なサポート体制と、申し訳ないが主治医の不勉強に振り回された形だ。 この辺はCPAPのメーカーやお世話になるお医者様によって大きな差があるのではないかと思う。
こんなトラブルはあったが、今は問題なく大変快適に使用できている。 この睡眠の深さは本当に驚きだ。 無呼吸を解消する事が目的で開発された装置ではあるが、それ以前にこの快眠がもたらす効果は本当に大きい。 睡眠時無呼吸症候群を持たない人も使用すれば生活の質は大きく変わると思う。
例えばいびきが大きい人なども気道が確保されるのでいびきは解消するそうだ。 上手に使用すれば弊害は全くないはずだ。 医師の指導の下で使用する事になっているので、まずはかかりつけのお医者様に相談して見れば良いと思う。
実際問題、4年も経って、あれから体重も減り、はたから見ている妻は睡眠時無呼吸症候群の問題はもしかしたら解決しているのではないかと言っている。 もう一度24時間ホルター心電図を装着して確認すればいいのだろうが、私は例えそうだとしても、使用は続けたいのでそのままにしている。 快眠のお陰で昼間のパフォーマンスもアップだ。 かかりつけのお医者様がおられる方は是非利用のご相談をされて見てはいかがだろうか。

