予期せぬ言論の火種 ―― 自由な発言を阻む、目に見えない壁
戦前の反省を踏まえて制定された日本国憲法は、言論・表現の自由を明確に保障している。 戦後生まれの世代が大半を占めるようになった現在、その自由は「勝ち取ったもの」というより、「生まれたときから当然そこにあるもの」として受け … 続きを読む
私の独りごと発信拠点です。みなさんのお言葉も残せます。
戦前の反省を踏まえて制定された日本国憲法は、言論・表現の自由を明確に保障している。 戦後生まれの世代が大半を占めるようになった現在、その自由は「勝ち取ったもの」というより、「生まれたときから当然そこにあるもの」として受け … 続きを読む
散歩の途中で出会う犬たちの話を、いつも私のエッセイを読んでくださる方がコメントに書いてくださったことがある。 毎日の散歩で、仲良しの犬に会うのが楽しみだというのだ。 その言葉に、私は深くうなづいた。 私もまた「犬大好き人 … 続きを読む
私の人生には、忘れられない二つの言葉がある。 スペインで言われた「日本には人生がない」。 韓国で言われた「日本人には情(じょう)がない」。 どちらも、私の内側の空洞に鋭く突き刺さった。 自分では気づいていなかった「日 … 続きを読む
朝の散歩の途中、家の近所の小さな郵便局の前でクレジットカードを拾った。 ひと目で、用を済ませた誰かが財布にしまう際に落としたのだと分かった。 郵便局はまだ開いていない。 しかし、このまま放置すれば、悪意のある者に拾わ … 続きを読む
政界や財界の上層には、80歳を超えてなお権力の中心に座り続ける人が少なくない。 その姿勢に敬意を抱く一方で、自分自身が加齢による「退化」を実感するたびに、果たしてそれは社会にとって本当に望ましい姿なのかという疑問が拭えな … 続きを読む
韓国語を学び始めたのは、今から二十七年前のことだ。 独学だったが、近くて遠いと思い込んでいた国が、実は日本と驚くほど深く結びついていると知った瞬間、私は飢えるように勉強を始めた。 どんな言語でも、文字が読めて、言葉が … 続きを読む
スポーツの試合を観ていて、ふと心が引いてしまう瞬間がある。 鮮やかなプレーに一瞬は目を奪われながらも、その熱狂の先にある「影」を前に、どうしても没入しきれない自分がいるのだ。 私が胸を打たれるのは、決して「勝ち負け」が決 … 続きを読む
人生の成否を左右する局面で、私は何度も、間違った判断を危機一髪で回避してきた。 そのたびに「ぎりぎり間に合って良かった」と胸をなでおろすのだが、こうした好都合が何度も重なると、「偶然」という言葉の許容量を超えてしまう … 続きを読む
私は人生をあまりに我儘に生きてきて、伴侶である妻にひとかたならない苦労をかけたと、深く反省している。 だから私と妻の過去の言い分はまったく平等ではないのだが、それでもの話である。 妻ともめ事があり、こちらの言い分に納得が … 続きを読む
人間社会は、様々な支配構造に翻弄されている。 現存する特定の社会システムを批判することは容易だが、翻って「理想の社会」など地球上のどこを探しても存在しない。 歴史を見渡せば、民主主義的で平和な社会が一時的に成立することは … 続きを読む
日本のオーケストラ界が遺した20世紀の記念碑的大作、矢代秋雄の『交響曲』(1958年)。 演奏会で取り上げられる機会が稀なこの曲を、私は先日、初めて生で聴く機会を得た。 コンサートの後半、メインプログラムに40分に及 … 続きを読む
妻は昔から熱心な新聞ファンである。 紙に書かれた文字は落ち着いて頭にすっと入ってくるのだと言う。 結婚して四十六年、我が家の食卓にはいつも新聞があった。 しかし、テレビの速報性こそが「ニュース」だと信じて疑わなかった私は … 続きを読む
ラジオ体操の「元祖」が、1925年にアメリカの生命保険会社が始めたラジオ放送である事実は、あまり表舞台で語られない。 当時、現地を訪れた日本の簡易保険局(現在のかんぽ生命)がその試みに着目し、NHKと手を結んで1928年 … 続きを読む
ニュース番組を観ていてると、海外で社会的混乱や自然災害が発生するたびに、決まって現地に暮らす日本人の数とその安否が報道されることに気がつく。 スマートフォンで撮影された彼らの生々しい姿や声が流れるたび、私はその数の多さに … 続きを読む
「水無月の 夏越(なごし)の祓(はらえ)する人は ちとせの命 のぶというなり」 間もなく六月の末日を迎え、今年も半年が過ぎて折り返し地点に到達する。 週に一度訪れる地元の大きな神社。その鳥居の二本の柱の間には、茅(か … 続きを読む
1960年代に子供たちの間で流行した「時間よ止まれ!」という言葉があった。 手塚治虫原作のNHKドラマ『ふしぎな少年』で、主人公が時間を操る際に唱えたセリフがヒットしたものだ。 小学生だった私は、近所の子どもたちと一 … 続きを読む
小説家が原稿を「少し書いては破り捨て、また書く」をくり返し、「私の才能は、もう枯れてしまったのだろうか」と苦悩する姿は、昔から映画やドラマでよく見てきた光景だ。 おそらく、小説に限らず、音楽や絵画など、いわゆる「芸術 … 続きを読む
小学生の頃、母から「慌てないでいいから、ゆっくり確かめなさい」と何度も言われた。 宿題やテストの結果を見て諭されたときの言葉だが、その声は今でも耳に「タコ」ができたまま残っている。 当時の私は、「できた!」と思うと、 … 続きを読む
私がかつてタイムラプス撮影の個人事業を行っていたとき、「長期タイムラプス遠隔撮影システム」を開発した。 その撮影装置と技術を引き継ぎたいと、はるばる遠方の地方都市から四十歳年下の青年が訪ねてきた。 彼は映像制作会社の社長 … 続きを読む
私はいつも、すぐれた機能を持った物や、新しく開発された物に心を奪われて生きてきた。 それは単なる飾りとしてではなく、夢を形にするための「道具・材料」として、常に私を魅了し、支配し続けてきた。 俗に言う「物欲」である。 … 続きを読む
もう私の中では済んだことなのだが、かつて自分が感じていたことを、今朝のNHKの番組で医学的に肯定されたような気がした。 テーマは「嫌なことの忘れ方」。 その中で特に興味を惹かれたのは、ある脳神経外科医の話だった。 … 続きを読む
深刻な暴力や支配は、どの時代であっても許されない。 だからこそ、日常生活の中で起こり得るさまざまな衝突をどう捉えるかは、とても大切になる。 昭和生まれの私には、ここ二十年ほどで急速に厳しくなった「DV・ハラスメン … 続きを読む
子どもたちが立派に成長し、それぞれ家庭を持つようになった。 その日常をじじ・ばばの立場から眺めていると、「あっ」と思う瞬間がある。 血のつながりをふと感じるときである。 娘の、何事にも徹底して取り組む頑張り屋の性格は … 続きを読む
『男はつらいよ』の感想文の形となったエッセイを、私は印刷して山田洋次監督宛てにファンレターと共に送った。 どうしても私の感動を伝えたかったのだ。 深掘り『男はつらいよ』 ― 寅さん映画の神髄とは しかし、投函した … 続きを読む
人生で、自分が何を誇りに思うかなどどうでもよく、楽しく生きられればそれでいい、と考える人もいるだろう。 しかし、誇りとは、自分の人生を肯定するための大切な支えではないだろうか。 誇りとは何か 人には人の数だけ生き方が … 続きを読む