身体に残っていた「絹束」

普段散歩で歩くときに、油断をすると靴の底を「ずっ、ずっ」と擦る音を立ててしまう。脚を持ち上げる力が落ちてしまう、加齢の典型的な現れである。あわてて周りを見回して誰も聞いていなかったことを確認する。 意識していれば起きない … 続きを読む

人生の最後の1キロを走るために

五十代で脳出血に倒れ、救急搬送されて三ヶ月入院した知人がいる。退職後も脳梗塞と脳出血を繰り返し、数か月前には再び脳梗塞を発症した。今では聴力を完全に失い身体もほとんど動かせなくなった。 高級SUVをローンで購入し、夫婦で … 続きを読む

ROMかRAMか ―― 記憶の設計思想

人間の記憶というものは、つくづく不可思議で、しかも容赦がない。 とりわけ夢の記憶の脆さは顕著だ。目覚めた直後には鮮明だった映像が、布団から足を下ろし、トイレへ向かう数歩のあいだに、砂が指の隙間からこぼれ落ちるように薄れて … 続きを読む

坂道であることを受け入れる三十年

歳を取るにつれて身体は徐々に衰え、どこかに不具合が出てくる。 まわりを見ていると、還暦を過ぎたあたりからその傾向は一気に強まるようだ。   私の場合は、六十歳を過ぎた頃はまだ健康上の不都合も懸念もなかった。  現役そのも … 続きを読む

医者の一言「加齢です!」が鼓舞した物

今月の主治医の定期健診の日がやって来た。 お腹の不調で処方された薬を飲んでもイマイチ効果が思わしくない。 その主治医には3年ほど前からお世話になっているが、その当初からの処方で心臓や血圧の為の幾つかの薬を毎日服用している … 続きを読む