朝の寝起きの一杯や、家でくつろいでいるときに飲む一杯のコーヒーは、体の隅々に血を巡らせてくれる。 本当に不思議な飲み物だ。 調べてみると、コーヒーの起源は年以上も昔、エチオピアで発見された赤い実の「覚醒作用」にあり、その薬用効果に着目され広まったらしい。 なるほどと頷ける話である。
以前から、よくぞ「豆を煎って粉にし、お湯を通してドリンクにする」という一連の工程を思いついたものだと不思議に思っていた。 しかし、長い歴史の中で、薬効をもつ植物が嗜好品へと変遷していく過程で、自然と編み出されていったとものだと考えると、実に感慨深い。
かく言う私は大のコーヒー好きで、病こうじてコーヒーを生豆を買い、自分で焙煎して挽くという、ややマニアックな世界に心血を注いだ時期があった。
金を出せば、焙煎機も電動ミルも簡単に手に入る。 しかし私はもともと工作好きなので、創意工夫で器具を自作することにした。
これは自作した電動焙煎機である。 具合はなかなかのものだが、作業後にガスコンロに散らばる豆のカスの掃除は覚悟しなければならない。
材料はすべて最寄りのホームセンターで揃えた。 内装工事用のパーツをうまく流用して形にしたもので、回転ドラムはペンキ用の缶だ。 そのときに制作したビデオが次のものである。 ご覧いただけば一目瞭然で説明は不要だろう。
https://www.youtube.com/watch?v=icYvDQ4cAIE
こちらは電動コーヒー・ミルである。 これも既存のパーツを活用して製作した。 ただし、棚の上にネジで固定して取り付けている。 棚も自作品なので躊躇せずねじ止めしたが、普通は厚めの板の上に固定すればよいと思う。
大きなプーリーとベルトの間に指などを挟まないように注意が必要だ。 小さな子どもがいる家庭では、別途ベルト・カバーを装着するなどの工夫が求められるかもしれない。
https://www.youtube.com/watch?v=ZFWYJ40YaQM
私が若い頃に留学していたスペインでは、バル(居酒屋)のカウンターに寄りかかり、小さなカップのカフェ・ソロ(ブラックで飲む濃いエスプレッソ)をぐいっと飲むのが風物詩だった。 濃いカフェ・ソロを短時間で飲み干すのがスタイルで、一杯の量が少ない分、深い味わいがいつまでも口に残る。
それ以外に、熱い牛乳で割ったやや大きいカップのカフェ・コン・レチェ、その中間にあたるカフェ・コルタードとの三種類がよく楽しまれていた。 同じヨーロッパでも北欧のように大きなマグカップで飲む文化とは異なり、ましてや薄いコーヒーを「ガブ飲み」するアメリカのスタイルとは対照的である。
どのように、どの程度焙煎するかは、コーヒーの香りと味に直接影響する。 だからからこそ、この世界には立ち入り甲斐があり、でき上がりを楽しみに手間をかけることが、決して億劫にはならないのである。