侮るなかれ中国製! 技術大国ニッポン何処へ行った?

私が若かった頃、特に日本経済が未曽有の高度成長を続けていた頃、日本は技術大国と言われ、特にコンピューター・通信機・家電製品を始めとする電子機器・電化製品については世界のトップを走っていた。

 

1985年の「プラザ合意」によってドル円相場が大きく円高方向へ誘導された事に端を発した日本経済の産業構造の変化は、続く「バブルの崩壊」と共に、その後技術大国日本の地位を奪う事になった。

 

一方、お隣の中国は長い間経済力には見るべく物がない状態が続いていたが、1978年の改革開放で資本主義経済に転換させる方針に転換した以降、未曽有の発展を始めた。 

 

そんな中、長い間日本に安い中国製の電子部品・電子機器などが色々登場して来たが、常に「安かろう・悪かろう」の代表的な存在であった。 それが近年、明らかに様相が変わって来た。 

 

私のメイン・パソコン用の大きな液晶モニターが死んだ。 40インチの大きく重さが17Kgもあるがっちりとした国内有名専門メーカー製のモニターだ。 仕事の画像処理の為のパソコン用だったので、張り込んで買った高額製品だった。 パソコンを立ち上げたあとほんの一瞬画面がチラと見えるだけであとは真っ暗のまま、パソコンからの画像信号に反応しなくなってしまった。

 

他のパソコンや他のモニターを色々と繋ぎ変えてみたが、モニターの故障に間違いなかったので仕方なく廃棄することにした。 繋がれているパソコンはこれまた張り込んで買った画像処理用のパソコンなので、これを使わなくする訳には行かず、液晶モニターを新しく買い替える事にした。 もう仕事をする事はないので、高級品は必要ないのだが、大きさだけは40インチの画面に惚れ込んでいたので、同じ大きさには拘りたかった。

 

今は40インチの製品はほとんどなく、大画面クラスでは43インチが主流となっていた。 色々製品を見たが、やはり中国製は安い! この値段で買えるなら、と迷わず43インチのモニターにしようかと思った。 商品レビューを見てもなかなか良いコメントが多かった。

 

しかしいざ注文するとなると、逆に値段が安いだけに不安になった。 もしいくらも月日が経たないうちにっぶっ壊れたらとか、画質に不満があったらとか、不安の種が次々に浮かんできた。

 

なんとか国内の知名度のあるメーカー製はないか、と探してみたらあった。 そのメーカーのモニター以外の製品は使った事あるし、信頼のおける会社だった。 価格はちょっと中国製より高かったが、思い切ってそれを購入する事にした。 もちろん同じ43インチだ。

 

万を持してその製品を手にした。 大きいので箱から出すだけで一苦労、抱えながら2階の自分の部屋まで運ぶのは、寄る年波を感じる必死な作業だった。 さてなんとか設置して接続して電源オン! 取り敢えず自分のnoteの「ホーム」ページを表示させた。 カバー写真の一覧を観たかったからである。 多くが現役時代に作品作りで撮影した画像なので、簡単な画質チェックには最適だったからだ。

 

あれ?と一瞬驚いた。 コントラストがきついのだ。 画像のシャドウ(暗い)部分が黒く潰れ気味になっている。 不安になった。 今まで使った液晶モニターは5、6台あるが、どれも接続してポン!で何一つ不満はなかったからだ。 もちろん中には中国製の安物もあった。

 

仕方ないので調べながらモニターの調整をしてみた。 しかし何をどうやってもほとんど改善しない。 コントラスト最低にして輝度を最大にしても全くだめだ。 こんな状態でこのモニターを使って画像処理したら、とんでもない画像を公開することになってしまう。

 

これは困った! 年金生活でやっとの思いで買ったのに、どうしたらいいのかと弱り果ててしまった。 仕方なくそのメーカーのサポート窓口に電話してみた。 訳を話すと、はじめは杓子定規な対応しかされず「その製品を送ってくれて異常を確認したら代わりの製品を送り返す」と言われた。 しかしメインのパソコンが使えない状態が何日も続くのは絶対困る。

 

その「AIみたいな対応」に必死に食い下がり、他の液晶モニターで表示させた同じ画像をスマホで撮り較べた画像ファイルを数セット送った。 そのメーカー製の外付けハードディスクを仕事用に35台も購入したハード・ユーザーである事も訴えた。 そしてなんとか「新しい製品を送るから、その場で引き換えに業者に今の製品を渡してほしい」と言う言葉を引き出す事が出来た。

 

さすがに有名メーカーだ。 対応は素晴らしい。 すぐに新しい製品が届いた。 さぁ今度こそ!と期待で一杯、設置して電源オン! が~~ん! 画面の真ん中が縦に真黒い太い帯状になっている! こんなものは何処でも見た事も聞いた事もない。

画面のど真ん中が、画面の横幅の十分の1位の幅で黒く帯状に塗りつぶされているのだ。 もうこれは明らかに製品の初期異常で不良品以外の何物でもなかった。 いったいこのメーカーは出荷前に製品チェックをどうやっているのかと疑問に思わざるを得なかった。

更にショックだったのは、黒い帯が邪魔して見にくい物の、色々と画像を表示させてみたのだ。 せめてコントラスト異常は、前の製品の個別の異常だと確認したかったからである。 ところがである、その異常なコントラストはこの製品でも同じだった。 何たる事だとショックを受けた。 こんな物が堂々と売られているなんてとても信じられなかった。

 

再びサポートセンターに電話をし、黒い帯を見せる為にモニター画面を撮影したスマホ画像も送った。 相変わらず血の通わないAIみたいな話し方しかしない対応ではあったが、私が希望するなら返品・返金に応じてくれる事になった。 当然、即返品する旨伝えた。

 

手際よく、送られて来たメールで返品・返金手続きの申し込み入力サイトに案内された。 こんな物が用意されていると言う事は、返品・返金は日常茶飯事なのだなと思った。 このメーカーには液晶モニター以外ではたくさんお世話になって来ている。 素晴らしい製品を沢山世に送り出している。 それだけにちょっと残念だった。

 

さて、晴れて振り出しに戻った私は、迷わず以前に購入をしようかと悩んだ事のある、少し価格が安い中国製の同じ43インチの製品の購入手続きをした。 もうこれでだめなら諦めてそれを使おうと腹を決めた。

 

届いた中国製モニターは完璧だった。 不具合がないのはもちろん、コントラストも発色も全く文句ない。 更に設定や画質調整は問題の国産製より遥かに細かく思ったように出来てそれは格段の差だった。 とにかく文句なしで大変満足した。 ちなみにその中国製は問題の国産製より1万円安かった。 もともと数万円のものなので1万円の差は大変大きい。

 

すべての中国製が良いとは限らないのは、電子パーツをはじめ色々な中国製の買い物をして来たので、良くわかっているが、いまや決して侮れない存在だと改めて思い知らされた。 第一、ドローンは世界の8割が中国製だ。 私も仕事で2台使って来たが大変優秀な性能で、初めて手にした時は「いつの間にあの中国がこんな凄い物を!」と驚いたものだ。

 

かつての技術大国ニッポン、頑張れ!!

 

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