誰でも歳を取ると物忘れが多くなって来る。 初めのうちは冗談半分で「最近物忘れが多くなりましてねぇ」と言っているが、そのうち冗談では済まなくなって来て、他人から「え?ホントに覚えてないの?」と言われ、血の気が引くような思いをする事が起きて来る。
問題には大きく分けて二つのタイプがある。 ひとつは自分を離れた他の人の事や出来事を覚えてない、知らないと言う問題である。
もうひとつは、過去に自分がしゃべった事、書いた事、やった事を覚えていないと言う問題である。
一つ目の問題は誰でも最初に経験するものだろう。 人の名前が出てこない。 ひどい場合はずっと知っていて何度も話題に出した事がある名前なのに、ある時突然思い出せなくなるのだ。 しかしあわてる事はない。 次の瞬間またパッと思い出すから。
忘れるのは名前だけではない。 その人の顔も思い出せなくなるのだ。 慌てる事はない、初めてお会いして、また先々お会いする事がありそうな人の場合は、お断りしてスマホで一枚スナップ写真を撮らせて頂けば良い。 まさか「記憶がもたないので撮らせてください」とはみっともなくて言えないので、もっともらしいさりげない理由を付けてごまかせば良い。 写真に撮った顔を後で落ち着いて何度かしっかり見つめたら、絶対に忘れる事はない。 これを実行するとしないとでは雲泥の差が出る。
人と会った時にやった事、話した事は簡単な日記にメモしておく。 日記を書く習慣の無い人は、例えば毎日血圧を測定している人なら使っている、「血圧手帳」のメモ欄にちょこっとメモするだけでかなり役に立つと思う。
(日本高血圧協会発行の物が 縦21横15cmで使いやすい。ホームページで購入できる)
誕生日など毎年繰り返す記念日などについてはパソコンやスマホのカレンダー・ソフトに「毎年繰り返し」を選択して記入しておくと良い。
私が当初とても苦労していたのが、朝昼晩の薬の服用管理だ。 良く壁に掛ける毎日の日付の部分が薬を入れるポケットになっているカレンダー状の布製の用品があるが、あれだけは90歳で亡くなった晩年のおふくろを思い出すので、使う気にならない。 多少面倒くさい方が忘れないと考え、小さなチェック表を作って使っている。 薬を入れた箱にペンと共に入れてある。
毎回服用するたびにチェックを入れている。 このちょっとひと手間かかる決められた作業が忘れない事につながっていて、効果は抜群である。 テレビを観たり食事をするテーブルの自分の席の横に置いておくと良い。 毎食後、必ず習慣になるので絶対忘れる事がない。
(A4縦横2つ折りでA4の1/4のサイズに印刷)
さて、二つ目の問題は、呆れられたり、恥をかく事になりかねない問題だ。 「あ、また同じ事言ってる」と思われるのはかなり辛い。 最初は「その話、前も聞いたよ」と言われ笑い話で済むのだが、そのうち3度目、4度目となると相手はさすがに指摘もせず黙って白けて聞いている。
こうなると信頼関係に大きく傷がつく。 せめて話し出す最初の「枕詞(まくらことば)」として、「以前にもお話した事があるかも知れませんが」と言うひとことから始める事だ。 もし以前に話していたら、相手は「丁寧な人だなぁ」と思って、仮に話していたとしても白けたり失望する事はない。 また実際には話してなくてもそれは問題にはならない。
この問題は話す事だけではない。 書き物などに書く時にも発生する。 「あ、また同じ事を初めての顔して書いている」と嘲笑され兼ねない。 私がこのnoteに書いたエッセイはまだ高々80本位だが、毎回何か書こうとしてちょっとでも自信が無い時は必ず既往のエッセイをすべて確認している。
すべてのエッセイは一本ずつ独立したWordファイルになっている。 使ったカバー写真も最初に画像として貼り付けてある。 それを一本一本開いて確認していたら日が暮れてしまうので、私は次のようにしている。
まずすべてのWordファイルを一括でPDFファイルに変換する。 Wordのファイル数だけPDFファイルが誕生するので、次にこのPDFファイル全部を1本のPDFファイルに結合する。 これらの操作は「PDF24」と言うフリーソフトで簡単にワンタッチで出来る。
Wordファイルを直接連結する方法もあるが、記事間が詰まってしまうので、見にくくなる。 また私の場合カバー写真もWordに貼り付けてあるので、猶更だ。 またPDFで連結して置けば、もし後日まとめて小冊子として印刷したくなった時にも便利だ。 普段から、例えば10本増える毎に結合ファイルを作成して置くと便利だ。
さて一本のPDFファイルになったらこっちの物だ。 あとはAdobeのPDF閲覧ソフトなどで開いて、検索機能を使って検索すれば瞬間に該当するエッセイと当該ページに飛んでくれる。 複数該当すれば順番に表示してくれる。 例えば年金の話であれば、検索覧に「年金」と入れて検索すれば、すべて順番に表示してくれる。
物忘れは工夫した対策次第でかなりカバーして乗り越えられる。 諦めないで知恵を使えばなんとか道は開ける。

