「朝陽にはパワーがある」 ~ 生命の源に向き合う時間

亡くなった叔父が夕方になるとコーヒー・カップを片手に病院の横を流れる川の土手に上がり、ずっと沈みゆく夕陽を眺めながら「朝陽と夕陽は身体にいい。パワーがある。」と言っていたと言う話を従妹から聞いた。

 

その話は凄く気になっていた。 なぜならその叔父は一代で町医者から大きな総合病院を築き上げた、私が尊敬する偉大な医学博士だったからだ。 普通の人が迷信とか精神論的な話をしているのなら聞き流せるのだが、医学者だった叔父がそう言って晩年を過ごしていた事は、真面目に受け止めなければいけないと思っていた。

 

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(『夕陽を眺める想い』)

 

最近朝は大分寒くなって来たが、日の出前から散歩をしていると、そのうち日の出となり、やがて建物の陰からも陽が射すようになる。 背に受ける時もあるし、正面から受ける時もあるが、ほとんど水平に射して来る。 陽の光を正面から受けると、眩しくて足元が見えないくらいだが、背に受けると自分たちの影が道路の向こうまで2~30メートルも伸びる。

 

背に受けると厚手の防寒服を着ていても、それを通り越して太陽光線の温かさを背中に一杯感じる。 それまでの凍えるような寒さがまるで嘘のようだ。 正面から受けるとまるで大きなストーブの前に立っているように暖かさが眩しさと一緒に覆いかぶさって来る。

 

叔父の言葉を思い出す。 「身体に良い、パワーがある」と言う朝陽その物に感じる。 そのまま当たっていれば自分にどんどんエネルギーと活力が注入されるような気がする。

 

考えてみれば、朝陽も夕陽も、太陽の光は地球の大気を斜めに横切って長い教理を通して射してくるので、青~紫の光成分は上空に分散され、地上には燈~赤の光成分が多く届くようになる。 と言う事は紫外線より赤外線の比率が高くなると言う事になる。 まぁ橙色に見えるのだから当然だ。

 

赤外線、特に遠赤外線は体を深部から温めるので暖房器具にも応用されているのは良く知られている。 赤外線も過度に当たれば人体に悪い影響があるようだが概して良い話を聞く事が多い。 紫外線については良い作用もあるが、癌などの細胞へ与えるダメージ作用など、悪い影響を良く耳にする。

 

叔父の話していた身体に良いとかパワーを得られるとは、この赤外線の比率が高くなった陽の光が関わっているのだろう。 実際に朝陽に当たっていると元気やパワーが伝わって来る感じがする。

 

朝陽と夕陽は光として全く成分は同じだが、朝陽と夕陽が人間に及ぼす作用は全く同じではなく、朝陽は「体内時計を整え、睡眠・代謝・免疫に良い」、そして夕陽は「副交感神経を優位にし、心を癒し、ストレスを和らげる」効果があるそうだ。

 

これが意味するところは、一日の中の「活動を開始する時の朝方」とこれから「寝る時間を迎える夕方」と言う、影響を受ける人間側の状態が異なるので、同じ陽が当たっても発生する効果に違いがあると言う事だ。

 

これから一日の活動が始まる朝陽は体内時計をリセットしてスタート態勢を整えてくれ、一日を終えて休みの時間を迎える夕陽はリラックス効果を与えて癒してくれると言う、大変ありがたい存在だ。

 

そんな事を意識して陽の光を浴びていると、遠赤外線の温かさが身体の中まで届いて、本当にエネルギーを吸収して、まるで自分と言う「バッテリー」を急速充電しているような錯覚に陥る。

 

思えば、太陽がなかったら生命は誕生していなかった。 宇宙空間と同じマイナス270度の極寒の世界で水は凍りついて液体では存在していない。 惑星で言えば天王星や海王星、また幾つもある小惑星や木星・土星の衛星と同じ状況だ。 加えて太陽光がなければ植物も育たないし、生命は到底存在していなかった。 そう思うと朝陽や夕陽に立ち向かう時は、自分の命の誕生の根源に向かっている事になる。

 

身体に良い訳だ。 私も叔父がそうしていた様に、毎日の生活の中で朝陽・夕陽に当たる機会を積極的に作って、感謝の気持ちを込めて太陽を拝もうと思う。 できたらコーヒーカップを片手に拝んでみたい。

 

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