8.My Way 07/17/2021

私は若いころから組織人には全く向いていないタイプの人間であり、色々苦労したり損したりすることが多かったが、それでも色々恵まれた事も多くて適材適所に重用され、自分が望んだ世界で持てるパワーをフルに発揮できる機会を与えられ、最後まで無事首だけはつながった大企業退職者である。

しかし学生時代にもっと世の中を知ることができていたらもっと社会の中で別の飛躍できていたであろうと思う。 ここに私が社会人生活を通して学んだ貴重な体験がある。

自ら事業を営んでいる人は別にして、サラリーマンをはじめとする民間組織人として出世(上位職に昇進・抜擢されること)する際に目指すべき大切なポイントがある。

一般的には次のような点があげられるだろう。

・仕事ができること。
・顧客から支持されること
・部下の信頼が厚いこと。
・上司の信頼が厚いこと。
・上司から可愛がられること。
・上司にゴマを擦ってへつらうこと。
・クリーンなこと。(叩いても誇りが出ないこと)

さて、この中で私が若い頃からこれが大切だと思っていたことは

・仕事ができること。
・顧客から支持されること
・上司の信頼が厚いこと。
であった。

一方、私がこれは大切だとは思わなかったことは

・上司から可愛がられること。
・上司にゴマを擦ってへつらうこと。
・クリーンなこと。(叩いても誇りが出ないこと)
 であった。

今の私だから自信を持って語れる。 正解はすべて逆であった。(笑)

最近の新しい企業では風土が異なる場合もあるようだが、日本の伝統的な社会では上司から可愛がられることが何よりも大切なのだ。 政治の世界でも派閥とかすぐに組織の中で人々は可愛がり可愛がられるグループを作る。 会社でもまったく同じである。 可愛がられてこそ引っ張り上げられるのだ。

更に大切なのは、例え上に可愛がられ重用されても、クリーンでなければ必ずどこかに「落とし穴」があって自滅するのは特に他人の目が厳しい政治の世界で頻繁に見られることだ。

政治家も企業のトップも最後はクリーンであることが一番大切だ。 だから私は実績を残して永年活躍している政治家や大企業のトップは大したものだと思う。 

私には絶対真似ができないからだ。  能力の問題ではないのだ。 生き方の問題だ。 人間として住む世界が違う。 雑念や煩悩に振り回されず自らを厳しく律して生きる姿は仏門に生きる人間にも等しく思える。

私は叩けば埃だらけの人間で、とてもクリーンとは言えない。 第一クリーンな人間、生き方は私にとっては全くつまらなく興味がない。 もう一度生まれ変わってもこれだけは絶対に変わらない。

だからわかりやすい話としては、例えば私は絶対に政界には出れない。 まともな政治を行う判断力や実行力については何も不安はないが、私が人前に立った途端に次々に過去のゴシップや埃が取り沙汰され、マスコミ雑誌を賑わしてすぐに失脚するのは目に見えているからだ。(笑)

クリーンに模範人間として生きること、上司にゴマ擦って可愛がられる(往々にしてその際部下は踏み台になる)ことは絶対に私の価値観とは相いれない。

私は人間らしく感情や衝動に突き動かされ突っ走ったり飛び越えたり、そのあまり時にはあるべき道をも踏み外すことがあってもそれは覚悟で情熱を燃焼させて自由に生きて何かを成し遂げたい。

また生まれ変わったとしたら、こんどは直球で最大限の成果を手にすべく挑戦するだろう。 迷わず起業家か芸術家または研究者を目指すと思う。 私には元来起業家として事業を起こすか芸術家や研究者の道が向いていたと思う。

現に大企業退職後は紆余曲折を経て、結局事業を起業した。 歳も歳であるので小さな個人企業であるがやはりここが一番落ち着く終着駅であった。

こんな大切なこと、小学校から大学まで色々学ぶ過程でなんで教えてもらえなかったのだろう。