2.愛すべき隣人韓国 06/25/2021

韓国は日本の大切な兄弟だ。 韓国を初めて訪れたのは1999年。 仕事の出張で半ば嫌々での訪問だった。 と言うのもそれまでにニュースや噂であまり良い話を聞いたことがなかったからだ。 韓国人は意地が悪くて執念深く、お金に汚くて、日本の占領時代に発する反日感情が強く、道を歩けば石を投げつけられるとも聞いていたからだ。

金浦空港(当時)に着いた飛行機から降りて目の前に並んでいるタクシーを目指した。 大きな立派な黒いタクシーで中年の運転手がニコニコして迎えてくれてびっくりした。 ホテルまでの道中、彼は日本語でずっと話しかけてくれた。 日本の占領時代に日本語は身に着けたそうだ。 日本人には世話になった、日本が大好きだと言う。 初っ端から固く身構えていた気持ちがあっと言う間に楽になった。

ソウル市内を走る街角の風景には目を奪われた。 2つの点にである。 ひとつは看板の色だ。 鮮やかで派手な色、特にオレンジ色、黄緑色、紫色、ピンク色などは日本ではまずお目にかからない色だ。 この色彩感覚の違和感はすごかった。 もうひとつは車で表通りを走りながら横切りながら見える沢山の路地裏の風景・風情だ。 まるで日本と何も変わらない懐かしい風景そのままだ。 その建物や人々の生活の姿も。 道路にしゃがみこんで何か作業をしているおばさん達の姿も。 これにはまた驚いた。 全く異なる違和感と、全く同じ同一感が同時に存在していたのである。

夜は勤務先の現地拠点の人間に案内をしてもらうわけだが、出て来る韓国料理にまた驚いた。 もちろん日本料理とは違う、だいたい唐辛子でほとんどのものが赤い。 しかしどの料理を食べても懐かしいのだ。 初めて見て初めて口にする料理なのになぜ懐かしく感じるのかわからない。 あの時だけでなく今でもそうだ。

私が韓国に夢中になるにはそれからまったく時間はかからなかった。 帰国後韓国語の猛勉強を始めた。 語学参考書は20数冊は買ったと思う。 衛星放送で韓国のテレビ番組を欠かさず見るようになり、ビデオレコーダー3台使って(昔のレコーダーはテープを使うので、1台で一度に一本しか番組の予約録画はできなかった)毎日韓国ドラマを録画して、帰宅後必ず見るようになった。

仕事以外で韓国を訪れてレンタカーで全国を走り回った。 訪れた韓国の田舎はまた驚きの連続であった。 そこは日本の地方の風景となんら変わらなかったからだ。 どこを訪れてもほっとして心が休まる韓国の田舎は何度訪れても飽きることはない。 こんな中で韓国人との付き合いも色々始まった。

日本にいる時にも韓国にひたりたくて日暮里界隈の韓国の店を訪れ、そこでも知り合いが出来ていった。 最初は韓国食堂やスナックの関連でして知人は増えなかったが、やがて趣味の天文で知り合ったソウルの天文マニアと付き合うようになった。 彼は韓国語しか話せず、それまでのメールは片言の英語だったのだが、今や普通に付き合えるほど私の韓国語力は向上していた。 実はこの男性がその10年後、自分で設計製作し販売を開始した写真撮影付属装置がきっかけで私とビジネス関係が生じてその後の私の独立起業につながったのである。

いつの間にか私と韓国はまったく切っても切れない深い関係で結ばれてしまった。 韓国なしでは私はあり得ない、そんな関係になってしまったのだ。 韓国では文大統領になってから、対日感情を悪化させる政策運営が目立ち両国の国民感情は急速に悪化して行った。 これは実に悲しむべきできごとであった。 もともと韓国人と日本人は価値観を共有できる深く理解しあえる存在なのだ。しかしひとたびこのようなマイナスの力が加わるとあっと言う間に敵対意識が生じてくる危険性をはらんでいるのだ。

二つの国民の間には根深い障壁が存在している。理解しあえる価値観を有する民族なのに、同時に全く異なる精神・感情構造を持っているのだ。 一口で言うと「情の深さ」である。日本に住む出稼ぎ韓国人達は口を揃えて「日本人には情がない、情が薄い」と言う。 ひとたび親しい友人であったり、特に親族であったりする場合は、日本的に考えるとまったく制限なしの無条件の甘えと思いやりが交わされる。え?そこまでやるの?と日本人なら誰でも思わず引いてしまうほどにである。 また情の深さと関係しているものと考えられるが、一般に感情の起伏と表現が激しい。 悲しみや怒りを泣き叫んで表すことも多い。

更に韓国人には「恨(ハン)」と言う特質的な感情がある。 これは歴史的に常に侵略されてきた民族として長い間に築かれた根の深い感情とも言われている。 日本人はなぜ韓国人はいつまでも恨みつづけるのか?何回謝ったら忘れるのだ?と考えるのだが、そうは理屈通りにいかないのはこの韓国人に根付いた「恨」だと言われる。 この「恨」と「情」がからみあった感情を想像してみるとよくわかる。 日本人的には一見「幼い感情・子供のような感情」に見える。

しかしそう言い切ってしまう人には韓国を絶対理解する事はできないし、第一韓国が受け入れてくれないであろう。 まずお互いはお互いを心から愛する事だ。 愛すれば相手の立場に立って物事を考えることができる。 相手の立場に立って物事を考えられたら、自然に相手に対する謙虚な気持ちと思いやりの気持ちが沢山湧き出てくるはずなのだ。お互いにいじくっても変えられない骨が体内にあるのだと思う。でもそのDNAは間違いなく兄弟である。愛せば最大限愛せる相手だがどこかで躓いて憎めば骨まで憎くなる相手なのである。 こんな隣人を粗末にしあうのは誠に理不尽でもったいない話なのである。

また今すぐにでも韓国に行って、あの街を闊歩したい。 あの食堂にいって美味しい韓国料理を腹いっぱい味わいたい!