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             外国語ing My Way
        情報マガジン NO.000022  2004.11.15配信
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「外国語ing My Way」マルチリンガル習得へのヒント・シリーズ(8)
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第8回 暗記に始まり暗記に終わる

色々な道を極めた人のお話を伺うと、どの道にも「永遠のテーマ」がある様で
す。 私が永年(37年間になります)やってきた趣味のアマチュア無線の世
界では技術面について「M型コネクターの半田付けに始まってM型コネクター
の半田付けに終わる」と良く言われています。 M型コネクターと言うのは無
線機とアンテナをつなぐ為の特殊な構造をした配線(同軸ケーブル)の両端に
つなぐコネクターで、片方を無線機に、片方をアンテナにねじ込む構造になっ
ている物です。

アマチュア無線を始める人は誰でも必ずこのM型コネクターを同軸ケーブルの
両端に半田付けする作業をしなければならないのですが、これがなかなか難し
いのです。 ケーブルの太さによっては一個のコネクターを取り付けるのに2
0分や30分かかることもめずらしくありません。 散々苦労して半田付けま
で終わって金具を全部締め上げてテストしてみたら、内部でショートしていて
使い物にならない、なんて経験は、誰でもいやと言うほど味あわなければなり
ません。 また最初は良くても加工の仕方が良くなく、使っている内に内部で
ショートしたり、断線したり、ひどい場合はコネクターからケーブルがスポっ
と抜けたりする事もあります。 

私も今までの37年間でこの単調でイライラする作業を数え切れないほどやっ
て来ました。 おそらく軽く1000個以上のM型コネクターの半田付けをや
って来たと思いますが、始めの頃の取り付け方と今の取り付け方の具合の良さ
には、それこそ天と地の差があると言って過言でありません。 しかし、油断
は禁物です。 これだけやって来ていても、ちょっと手を抜くと必ず失敗しま
す。 無線機をアンテナに接続すると言う、無線設備にとっては絶対省略する
事のできない一番初歩的な作業は、入門者が最初に一番手を焼く面倒な作業で
あり、それは熟練者にとっても決して手の抜けない面倒かつ大事な作業なので
す。 自分が他の技術面で如何に向上していても、この基本作業をおろそかに
すると致命的な問題を引き起こし、最悪の場合は無線機自体を破壊してしまう
事すらあるのです。

外国語の習得上で、この様な絶対に不可避で普遍的なテーマと言ったらなんで
しょうか。 私はそれは「暗記」だと思っています。 外国語の学習は暗記に
始まって暗記に終わるのです。 なんとも退屈でしかも大変辛いトレーニング
です。

どの外国語にも理屈はありません。 学者がつけた後付の文法解釈はあっても
言葉はまず存在しているのであり、解釈された文法に基づいて存在しているも
のではありません。(あたりまえですね) 更に、言葉は知識でも科学でもな
く、単なるコミュニケーションの為のツールです。 言葉だけ知っていても一
文にもなる訳でなく、それを使ってコミュニケーションを図る(話す、書く)
あるいはコミュニケーションを得る(聞く、読む)事がその存在理由です。 
したがって、ツールとして完成されている事が大事で、使用する都度、部品を
組み立てたり用意したりしてはとても使い物にならない訳です。 

パソコンに例えて言えば、コミュニケーションを図ったり得たりする作業をパ
ソコンにやらせるとした場合、「単語データ・ファイル」と「文法理論テキス
ト・ファイル」をフロッピー・ディスクやハード・ディスクにしまって置いて
使う度に2つのファイルを読込んで文章などの組み立て作業をさせるとしたら
時間がかかってとても使い物にはなりません。 ある程度パターン化した形で
考えられる限りのありとあらゆる文例をあらかじめ組み立てておいて、メモリ
ー(RAM256メガバイト、とか言っているお馴染みのモノ)にすべて記憶
させておいた上で、フィルターの様に即時にデータ処理をして行かねばならな
いのです。 メモリーに「パターンを記憶させて置く」必要があるのです。 
調度ウイルス対策ソフトが、ありとあらゆる既知のウイルス・パターンを記録
したパターン・ファイルをパソコンの起動時にメモリーに読み込んでおいて必
要に応じて作業するのに似ています。 

ある外国語の学習を始めて、誰しもが最初に暗記しようとするものはまず「単
語」でしょう。 意味の異なる単語もあれば、動詞や形容詞などの活用によっ
て生まれるそれぞれの単語もあります。 更に色々な慣用句や決まり文句など
もあるでしょう。 誰でも外国語の学習を始めると必ず作り始めるのが単語帳
だと思います。 とにかく出てくる単語の意味がわからなければ文章の意味は
分からないし、とにかく単語を片っ端から暗記しちゃえ、と言う事ですね。 

しかし、先に述べたパソコンの作業の仕組みから考えるとちょっと問題があり
そうです。 良く良くパソコンの身になって考えてみると、単語を10万個暗
記したところで、それは単語データ・ファイルを大きく育てているに過ぎませ
ん。 少なくとも文法テキスト・ファイルを駆使して「料理」をしてあげない
限り、単語データ・ファイルを振り回したところで文章は組み立てられそうに
ありません。 ましてや慣用句や決まった言い回しに至っては万歳です。 

しかし、だからと言って作業をする度に文法ファイルも読み込んであれこれ文
章を考えていたのでは、パソコンはフロッピー・ディスクやハード・ディスク
を音をたててアクセスするばかりで、とてもすぐに文章を組み立ててはくれな
い事でしょう。 既にお話したように、メモリー上にパターン・ファイルを記
憶してフィルターにかけるように「翻訳」する仕組みを作っておかなければと
ても実用には耐えないのです。

私はこの為に、単語は単語として覚えるのではなく、出来る限り文章の中で覚
えなくてはいけないと考えています。 文章ごと暗記してしまうのです。 ひ
とつの単語があったら、その利用典型例文を丸ごと暗記するのです。 発想を
変えてしまっても構いません。 ある文章を丸ごと覚えます。 その文章の中
にはまだ身に着いていないいくつかの単語が含まれています。 その文章を暗
記する事によってそのいくつかの単語を覚えるのです。

もちろん、語彙数を増やすと言う観点からは、そんな「まどろっこしい」事を
やっていてはとても時間が足らないので、単語を頭から出来る限り数多く覚え
ると言う訓練も必要です。 しかし、それはかなり学習が進み、基本がしっか
りと身に着いた段階で「肉付け」の一環としてやるべき事で、入門から中級ま
での段階ではお奨めできません。 色々な幅広い知識を身に着けて質の向上を
はかるのは、一人前になってからの事です。 基本動作がしっかりと身体に覚
え込ます事ができてない訓練生に応用問題を怒涛のように与えても、消化不良
になるか、意味のない使えない能書きを増やさせるだけに終ってしまいかねな
いのです。

私は中学生時代には英語の教科書を丸暗記しました。 3年生の卒業時点では
3年間に使った3冊の教科書を机の上に伏せたまま置いて、1年生の第1頁か
ら3年生の最終ページまで、すべてスラスラと暗誦する事ができていました。
中学2年生になった時に、まず1年生の教科書を1冊丸暗記しました。 これ
は内容も簡単だし少ないし、大して苦労はなかったように記憶しています。 
そしてその後は毎日毎日授業の進展にあわせ、1頁ずつ暗記して行きました。
3年生ともなると文章量も増えるし内容も大分複雑になるので楽ではありませ
んが、誰にでもその気になってやれば必ずできる事であったと思います。 調
子に乗った私は更にNHKのラジオ講座のテキストも丸暗記しました。 2年
生の時に聴いた「続・基礎英語」、2年生から3年生の時に聴いた「英会話」
の講座のテキストをすべて暗記しました。 私の英語学習の中で、最も大きな
効果を生み出し私の英語を磐石にしてくれたものは、まさにこの「暗記」であ
ったと思っています。 あの過程がなかったなら、その後どのような学習をし
たとしても現在の私はなかったと思えるのです。

さて、この暗記ですが、誰にでも必ずできるものなのでしょうか。 「そんな
器用な事、私には絶対に無理だ!」と言う声が聞こえて来そうです。 その答
えを出す前に、もう少し私の過去を振り返ってみます。

私は社会人になった後、31歳の時に会社からスペイン留学を命じられ、わず
か3ヶ月後に留学を控え必死になってスペイン語の勉強を始めましたが、その
時にまず始めたのが、このテキストの丸暗記でした。 10数年前に英語を学
んだ時の事を思い出したからです。 留学を控えていた私はそれこそ大学受験
の時以上に勉強に没頭しました。 3時間の寝る時間と会社の就業時間以外の
全ての時間、すなわち通勤時間・休み時間・昼休み・帰宅後の就寝までの時間
を勉強にあてました。  

しかし、その時に私は暗記の手ごたえに中学生時代とは大分差がある事を感じ
ました。 文章の暗記はできても、頭から教科書の第1ページから最後まで丸
暗記しようと思っても思うように進まないのです。 1頁はなんとか丸暗記で
きても、その調子で次々と増やして行くと、端から既に覚えたページを忘れて
しまったりで、いつまでたっても思うように進まないのです。 その後、タイ
語、韓国語、タガログ語、中国語と勉強して来ていますが、年を追うごとにこ
の「テキスト1冊丸暗記」は、絶対に不可能の領域に入って来てしまっていま
す。(笑)

テキストの丸暗記は、語学学習上の「最高の切り札」である事には間違いあり
ません。 しかし、それはどうやら10代の本当に若い成長期にはそれ程苦労
なく成す事が出来ても、それからは年を追うごとにどんどん難しくなっていく
様です。 考えてみれば、凄い事です。 プロのピアニストが技術的にも難易
度の高い大曲を楽譜も見ないで1時間近くかけて間違いひとつなく演奏をして
しまう様なものです。 理屈無く身体に覚え込ませるには過酷な練習と訓練を
間断なく続けて行かない限り、凡人が苦労なくして簡単に成しえる技ではない
のです。 

10代の若い学習者には私は迷い無くこのテキスト丸暗記をお奨め致します。
それができる身体なのですから。 それに勝る学習法はないのですから。 な
らばそれ以降の方達はどうしたら良いのでしょうか。 答えは簡単です。 な
にもオール・オア・ナッシングの話ではありません。 覚える量を、長さを短
くすれば良いのです。

・ テキスト一冊が無理なら、その中の特定の章だけを暗記する
・ 特定の章だけでもだめなら、その中の気に入ったページだけを暗記する
・ 1ページだけでもだめなら、その中の気に入った段落だけを暗記する
・ 1段落だけでもだめなら、その中の気に入った文章だけを暗記する

どうですか? これならできそうでしょう? 「いやぁ、私はそれも無理! 
文章だって、うんと短い文章ならなんとかなるけど、長い複雑な文章はしんど
いよ」とおっしゃる方がいらしたら、もっとブレーク・ダウンすれば良いので
す。

・ 覚えたい単語をフレーズ(前後の単語2〜3語を含めてセットにして)単
  位で暗記する

これでもできないと言う方は多分おられないと思います。 現在、私はこの最
後の方法を「愛用」しています。 もっと前の段階の暗記もできない事はない
のですが、多忙な本業以外にも副業(?)や趣味の時間が必要で、限られた時
間で効率的に学習をして行かなければならない環境にあるし、あまり無理をし
ては続かなくなってしまうからです。

そもそも記憶力は年を取るに従って衰えて来るものです。 「バイブル・シリ
ーズ」でお話しましたが、年をとったらその分だけ努力をすれば、年齢の差は
なく、外国語を必ず身につける事ができます。 記憶力が若い人の3分の1に
落ちたと思うのだったら、若い人の3倍努力すれば良いだけのことなのです。
しかし、だからと言ってやみくもに記憶力の低下に対して「時間」で闘いを挑
むだけではなく、それぞれの環境に応じて「全体の学習効率」を考えながら、
学習の手法も自分の能力や環境に応じてアレンジして行った方が結果的に成功
につながるのではないかと思います。

はっきりとしている事は、文章を何も考えずに丸ごと暗記することが一番の学
習法である事です。 そしてその対局を成しているのが、単語だけをコツコツ
と覚えようとする事です。 この2つの学習法の間にはいくつものステップが
ある事をお話しました。 自分のできる範囲で、出来る限り「テキスト丸暗記
」に近い手法にチャレンジされる事をお奨め致します。

自分の脳のメモリーの中に出来る限り「文法テキスト・ファイル」を参照しな
いでも済む様に、出来る限りたくさんのパターン化した文章を記憶させ、スム
ースなフィルタリング作業で正しい外国語が口を突いて飛び出して来るように
自分を鍛えなければならないのです。


本シリーズ第2回でご紹介した自分の発音をモニターする仕組み(マイクとア
ンプとヘッドフォン)は、テキストを暗記する時に大変効果があります。 音
読するだけでなく、その声を耳からインプットする事により、脳に更に強い刺
激と印象を与える事ができるばかりでなく、集中力が圧倒的に高まる結果だと
思われます。

暗記はまさに脳との格闘です。 雑念を廃し、どこまで集中できるかが勝負で
す。 年齢と共に低下するのが、単に記憶力だけでなく、この集中力です。 
衰えた力を嘆いたり諦めたりするのではなく、それを補うノウ・ハウを積極的
に導入にしてカバーすれば良いのです。 脳との知恵比べなんですね。

(第9回に続く)


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ひと言
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