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             外国語ing My Way
        情報マガジン NO.000005  2004.7.12配信
 サポート・ホームページ:http://www.ki.rim.or.jp/~jr1maf2/gmyway/
           メール:jr1maf2@ki.rim.or.jp
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メルマガの第5号をお届け致します。

ご意見、ご感想、ご相談、ご要望、その他なんでもサポート・ホームページの
掲示板にお気軽にお寄せ下さい
http://www.ki.rim.or.jp/~jr1maf2/gmyway/messageboard/minibbs.cgi?log=log1

前回のメルマガでアンケートをお願いしたところ、今までに23人の方からご
協力を頂きました。 面倒をお願いしたのに、気持ち良くご協力を頂き、本当
にありがとうございました。

アンケートの結果はサポート・ホームページの「いろいろレポート」ページに
エクセル表で見やすく整理したものを掲載してあります。 大変興味深い内容
で、今さらのように皆さんの層の厚さと、ご活躍の幅の広さを思い知った次第
です。(本メルマガの巻末にサマライズした結果をご案内致します)

アンケートは随時継続実施しておりますので、お時間の許す方は都合のよろし
い時にご協力を頂けると嬉しいです。 こちらからも直接アンケート記入画面
に飛べます  http://www.ki.rim.or.jp/~jr1maf2/gmyway/anketo.html
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連載記事:「外国語ing My Way」バイブル・シリーズ(5)
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3.新たな感動が走らせたタイ語へ道

(1)英語とスペイン語で豊かに膨らむ日々

スペインから帰国してから約10年間は、せっかく学んだ言葉を忘れずに、そ
して尚ブラッシュ・アップする事に傾注しました。

私にはアマチュア無線と言うツールがあったので、まずはそれを使ってスペイ
ン本国のハム達と交信をする事でした。 実は、日本を中心に見ると、太平洋
を挟んでほぼ同緯度にあるアメリカ西海岸と交信するのはかなり容易い事なの
ですが、ヨーロッパ、それもスペインのある南西端地域と交信するのは結構大
変なのです。

私は帰国後まもなく全額借金で一戸建住宅を買うことにしました。 時まさに
バブルの絶頂期ですから銀行はいくらでもお金を貸してくれましたので(その
せいで未だに返済に苦しんでおります)これも容易いことでした。

土地の選択基準はまず雑音の多い都会地を避け、大きなアンテナを回転させて
も隣家への空中越境が最小限となるように正方形の土地であることを最優先と
し、埼玉の山奥を選びました。(都合の良いことに、奥方は伊豆大島出身なも
のですから、いなかへ住む事の抵抗感は全くありませんでした) 

土地を購入したら、まず自分で計測して土地の真ん中に印を付け、穴を掘って
コンクリートを流し込んで鉄塔の基礎を作ってしまいました。 その上で空い
た土地のスペースを巻尺で計測し、建物の図面を引いて家を建てたのです。 
(ご近所の方たちはいったいここには何が建つのか、さぞかし首をひねられた
と思います) つまり、すべてがアマチュア無線を優先してのマイホーム建築
だったと言う訳です。

こうして出来上がったマイホームと鉄塔(高さが22mあります)の上に大き
なアンテナを設置して、かなりの安定度で遠い海外と交信できる設備を手にし
ました。

幸いな事に短波帯の電波の世界では、日本から見るとアメリカと通じる時間帯
・季節と、ヨーロッパと通じる時間帯・季節はずれているので、交信できる時
間によって、スペインとスペイン語で交信したり、アメリカと英語で交信した
り、また場合によっては中南米とスペイン語(本国のスペイン語と比べるとか
なり訛っていますが)で交信ができました。

世界地図を見て、英語とスペイン語を話す国を頭の中で塗りつぶして行くと、
その範囲の広さに驚きます。 まず英語圏としては、英国、アメリカ、カナダ
オ−ストラリア、ニュージーランドがすぐ頭に浮かびますが、公用語または準
公用語として通用する国、あるいはビジネスレベルで普通に使われている国ま
でを含めると、ちょっと考えただけでも東南アジア各国、インドなど数多くあ
ります。 一方スペイン語圏としては、スペイン本国に加え、ブラジルを除い
た中南米各国(一部のカリブ海地域を除く)と、これまた広大です。

私はこの2ヶ国語を自由に話せることで世界の大半の国の人たちと交流が出来
ることに大いに満足し、事実、アマチュア無線や、その後世の中に出現して来
たインターネットを通じて交流したり、あるいは実際にお会いしたりして楽し
む事になりました。

とりわけ、スペイン語を理解しスペイン語圏の方々と交流できた事は、「わが
人生悔い無し」の思いと共に私の生き方の原動力となって行き、私のプライベ
ートの生活スタイルや、仕事のスタイルに大きな影響を与えました。


(2)灯台下暗し … アジアでの新発見

私が45歳になった頃、銀行の中での異動で、世界各国の金融機関との取引を
営業する部署に行く事になりました。  私はスペイン、もしくはスペイン語
圏を担当できたらいいなぁと夢を抱いて臨みましたが、結局担当となったのは
アジア・オセアニア地域でした。  これは不完全燃焼してしまうなぁと思い
つつ、再び海外の風に吹かれるようになっただけでも幸せだと自分に言い聞か
せ、新しい職務に取り組むことにしました。 実はこの瞬間から、また新しい
人生の1ページが展開することになったのです。

出張先は、中国、香港、台湾、韓国、ヴェトナム、ミャンマー、タイ、マレー
シア、シンガポール、フィリッピン、インドネシア、オーストラリア、インド
など多彩な顔ぶれです。 それまでの業務で香港とシンガポールだけは極短期
間出張したことがありましたが、実質初めてじっくりと見るアジアの世界とな
りました。

出張を重ねる度に、最初は期待もしていなかったアジアの世界に次第に惹き込
まれるようになって来ました。  それも南のインドシナ半島の世界にです。
マレーシアに2度目に訪問した時には、仕事とは言え、週末をはさんでいたの
でかなりゆっくりと時間を過すことができました。 ハッと気がつくと、何時
の間にか何処となくいつかスペインでいつも味わっていたような、ゆったりと
した気持ちにひたっている自分に気づきました。  

インドシナ各国を訪れる度に、あのスパイシーな香りの料理がたまらなく好き
になってしまいました。 お米ですら、もはや日本の何の香りもしないただふ
っくらとした白米よりか、香り豊かで歯ごたえのあるタイ米の方が好きになっ
てしまいました。

何度目かの出張でタイに行く機会を得ました。 夜暗くなって到着した事もあ
りましたが、薄暗い空港に蒸しかえるような暑さ、古びた車と道路、そしてた
くさんあっても全く発音すら出来ない道路の交通標識(行先表示板)に、まず
は圧倒される事になりました。 週末をはさんだ出張でしたので、結局5泊す
る事になりましたが、よもやこれ程のショックを受けるとは思っても見ません
でした。 

どこに行っても漂う仏教の香りが人々の心を洗い、礼儀正しい清潔な輝きは、
その独特の言語であるタイ語の発音や声調にまで染み込んでいました。 目上
の人には、胸の前で両手を合掌して「サワディー・カー! コップン・カー!
」と爽やかに挨拶をする女性達のなんと美しく、まばゆかった事か! おおら
かで、素直で、くったくのない人々と素晴らしい文化、そしてトムヤンクンに
代表される、なんともスパイシーなアジア(インドシナ半島)料理の極致とも
言うべきタイ料理のおいしさ! 人々の生活水準はかなり低く、都市を離れれ
ば電気のない生活をしている人はいくらでもいます。 高床式の木と木の葉で
葺いた風通しの良い伝統的な建物に住んでいる人もたくさんいます。 だけど
彼らは実におおらかです。 

私は自分自身の中に、彼らと彼らの文化に強く共鳴する響きを感じました。 
何か懐かしい血が騒ぐのです。 そうだ、私はスペインで「解放」されて、自
分にはラテンの血が流れている事を悟って来たけど、タイはまさに「東洋のラ
テン」ではないか! と気が付くのにそれほど時間はかかりませんでした。 
南の温かい(暑い!)国と言う事以上に、ふたつの国を結びつけるものがあり
ました。 宗教です。 スペインは敬虔なカトリック教徒の国です。 タイは
これまた敬虔な仏教徒の国です。 宗教と言う規律と伝統の中で、人々の気持
ちが同じ方向に向かって奇麗に洗われているのです。 自然にゆったりと生き
ているのです。

実は私は自らの体験と、そしてまだ実際に見たことはなかったけども、色々な
方からお聴きしたお話や、テレビや書籍で知り得てた情報から、世界のユート
ピア(理想郷)は「西のスペイン、東のタイ!」(もちろん美女の事だけを言
っている訳ではありません)と思うようになっていたのですが、この時になっ
て、それはやはり真実であったんだと感動を噛み締めることになったのです。

タイを離れる朝、バンコックの空港にタクシーで向かい、出国手続きをし、飛
行機に乗るまでの間、「いやだ!帰りたくない!」と、何度も胸の中で叫びま
した。 誰も見送りに来ている訳ではないのに、後ろを振り返ると涙が出てき
そうになりました。 周りを見回してもこんなバカみたいな顔をしている人は
誰もいませんでした。(笑)  しかしこれは理屈ではありません。 とにか
く私はそうなってしまっていたのです。 

次の訪問地、香港ではすっかり意気消沈でした。以前は血沸き肉踊った華やか
なネオンサインのまばゆい輝きも、まったく私の心の中に入って来ることはあ
りませんでした。 ただタイが懐かしく、その感動にぼ〜〜っとして、放心状
態が続いていたのです。 自分が15年前にスペインに置き忘れてきた「魂」
を、今度はタイに置き忘れて来てしまったのです。


(3)よみがえる外国語習得への情熱

帰国後も私の耳の中には、美しいタイ女性達の「サワディー・カー(こんにち
は)」、「コップン・カー(ありがとうございます)」と言う、あのなんとも言
えない、人間の話す言語とは思えないような、美しい音楽のような音の響きが
こだまし続けていました。

これはちょっとオーバーな表現をしていると思われるかもしれませんが、本当
に私はタイ語の音の美しさにまず取り付かれてしまったのです。 今まで一度
も耳にしたことのない「芸術音楽作品」のような音の響きなのです。(タイ語
の音の美しさは、本稿を執筆している現在でも、私の知っている世界の言語の
中では飛びぬけて一番だと思っています)

タイ語の音の美しさと、タイ女性の美しさと(笑)、タイの人々の屈託の無い
生き様と、すがすがしい仏教の文化が織り重なって、タイは私を強引に捉え、
もはや私はこの世界を避けて生きて行く事ができなくなってしまったのです。

私にとってタイ語の習得は3ヶ国語目の外国語習得です。 勉強方法にあまり
戸惑うものはありませんでした。  タイ人の話によると、仕事でタイに来て
いる日本人の中にはそこそこタイ語を話す人がいるが、彼らの多くは会話のみ
で、タイ文字を読んで書ける日本人はあまり見た事がないと言っていました。
会話から入ると言う選択肢もありましたが、私は躊躇せずタイ文字の読み書き
から取り組み始めました。 

そもそも読み書きのできない外国語の習得(要はその国の文盲になると言う事
です)など私には到底考えられませんでしたし、普通なら一番簡単である文字
その物が、明らかに一番難しそうであり、無条件にそれを倒さないことにはタ
イ語を学んだ事にならないような気もしていました。 それに、そもそもあの
美しい発音に加えて、その文字の形も実に芸術的で美しく、美しい発音と美し
いタイ文字は、切っても切れない関係にあると感じたからでした。

タイ文字はまるで象形文字としか言いようのない表音文字であり、私はまずこ
の文字を覚えることから始めました、 英語で言えばアルファベットに当たり
ますが、いくつもある母音文字との組み合わせでいろいろな発音をしますし、
似たような形をした文字がたくさんあって、これをマスターするのは結構難物
です。 また、英語にもスペイン語にもなかった声調というものがあり、これ
も正確に理解しながら覚えるのは本当に骨が折れます。

また驚く事にタイ語は単語毎に分かち書き(スペース)を空けたりしません。
これは気が狂わんばかりに厄介なことです。 なにせ小説でも何でも本を開い
てみると、上から下までずうっと象形文字が隙間なく並んでいるのです。 は
っきり言って「辞書の引きようがない」のです。 どの文字からどの文字までが
一単語か理解できなければまったく成す術もない訳です。 タイ語を学んで行
くと、頭から字を読んで行っても、自然にここまでが一単語、と分かるように
なるのですが、だいたいそれが分かると言う事は単語を知っていると言う事で
それならばもともと辞書を引く必要はないと言うことになります(笑)


(4)タイ語習得へ道

さぁタイ語をやるぞ!と思い立ったのはいいのですが、考えてみたら語学の独
学と言うのは初めての経験です。 英語は学生時代に学校でその基礎を懇切丁
寧に教えてもらったし、スペイン語は語学学校を経て留学し、現地で語学学校
や家庭教師について学んだものでした。 しかし今度は自分の周りには誰も助
けてくれる人はいません。 そればかりでなく、いざ疑問が出てきたとしても
それを尋ねる人さえ心当たりがないのです。 孤独な自分との闘いとなる事は
明らかです。 果たしてこんな状態でモノにできるのだろうかと不安もよぎり
ます。

しかしこの不安な気持ちは今から振り返ると、ほんの一瞬だけであったような
気がします。 不思議なことに、やれば必ずできると言うような力が湧いて来
ていたのです。 それはスペイン語をわずか1年足らずでモノにできたと言う
経験が、自分に少なからず自信のようなものを生み出していたからではないか
と思います。

私はまず参考書を買いあさりました。 もともとタイ語の参考書はそんなに多
く並んでいませんから、選択に悩むことはありませんでした。 とりあえずタ
イ文字の演習帳が付属している参考書から始めることにしました。 さぁ大変
です。 文字そのものが書けない。 その形を覚えるのが大変。 考えてみた
ら英語のアルファベットは小学生時代のローマ字からの話ですから、ひらがな
と大して変わらない状態で、最初から知っている文字でした。 スペイン語も
一部特殊記号が付くだけで基本的には英語のアルファベットと変わりません。
ところが、タイ語はabcのaから、その形すら見た事もなく、しかも子供が書
いた動物の絵のようなとても文字には見えない文字だったのです。

こうなったら開き直るしかありません。 何も考えずひたすら黙々とペンでな
ぞって覚えるしかありません。 来る日も来る日もノートとペンを握り締めて
@通勤電車の中、A仕事中喫煙のため喫煙室でたばこを吸うわずかな時間、そ
れとBトイレで踏ん張る時間(汚くてすみません)、C仕事をさぼってとか、
帰りに立ち寄る喫茶店、の4つが勉強の時間となりました。 

週末とか毎日の帰宅後、自宅で勉強しなかったのかと思われるかもしれません
が、私は生来多趣味人間で、自宅ではとても消化しきれないくらいの遊びが待
っており、とても勉強に集中する余裕はなく、自宅で語学の勉強をした事は、
このタイ語に始まって現在に至るまでの韓国語、中国語、タガログ語も含めて
ほとんどありません。(外国語テレビを見ながら単語をノートに書きとめる事
を少ししたくらいです)

タイ文字の習得を進める一方で、基本文型の学習を始めました。 平叙文、疑
問文、命令文、5W1Hのパターンを頭に叩き込む訳です。 この過程で参考
書は3冊、4冊と増えて行きました。 気が付くと私の前にはタイ語の参考書
が13冊並んでいました。 もちろんこれは次から次に読破したり、演習をし
て行ったものの累積ではありません。

ひとつの事をどんどん学習して行くと、どこかで必ずつまづいたり、そこから
先に思うように進まなくなるのですが、そんな時の最良の対策が、目先を変え
て他の参考書に乗り換えることでした。 以前の参考書では分かりにくかった
事も、他の参考書の中には必ず「目から鱗」を落としてくれるものがあるので
す。 そうしてまたつまづいたら、また他の参考書に乗り換え、これを順繰り
に延々と繰り返して行く訳です。

タイ語を学び始める前の、長い通勤時間の友はCDウォークマンで聴く自分の
カラオケでした。(爆) 自分のカラオケ18番をCDROMに録音して、聴
いていたのです。 そのカラオケCDは当然のようにタイ語のCDに置き換わ
りました。 とにかく聴きました。 電車の中でよだれを垂らして寝こけよう
が、勉強したり本を読んだり、全然別の事に集中していようが、とにかく耳に
はタイ語を注ぎ込む訳です。 こうして毎日、通勤時間往復5時間は(片道2
時間半の遠距離通勤です)、タイ語しか聞かない時間となりました。 1日2
4時間の20%、普通の人が起きて活動するであろう16時間の30%ですか
ら馬鹿になりません。

その後タイへの出張の機会が訪れるたびに、とにかくヘタであろうとお構いな
しにタイ語を話しまくりました。 ただ、ホテルのフロント等では、最初の一
言目はタイ語で返事してくれても、その私の受け答えで「こいつのタイ語はイ
ンチキだ」と分かると(笑)、次の言葉は英語になってしまうことがほとんど
で、悲しい思いをするはめになりました。 

タイ語が本領を発揮できたのはタクシーでした。 始めてタイに行った時は、
とても怖くて言葉が全く通じない(英語もほとんど通じない)流しのタクシー
なんか乗ることは到底できなかったのですが、まがりなりにもコミュニケーシ
ョンができる自信がついて来ると、もう怖いものなんかありません。 週末は
小旅行をしにホテルから出る時に、流しのタクシーを拾おうとする私を、「ホ
テル・タクシーでなくていいんだろうか」と心配そうに見送るホテルの従業員
を尻目に、堂々と一日チャーターの料金交渉をして近郊の街まで出かけました
(一日チャーターして数百キロ走っても、料金は数千円程度です) 後ろの座
席から一生懸命タイ語で話しかける私に、運転手もすっかり打ち解け、熱心に
観光案内までしてくれます。 私のカメラで私の写真をたくさん撮ってくれ、
暗くなる頃ホテルに戻ってきて別れる時には、熱い握手を交わし、別れを惜し
むまでになってしまうのです。

始めてタイに行った時に、街中に溢れるタイ文字の道路標識に圧倒されたもの
ですが、今はもう違います。 ちゃんと読めるのですから車で走っていると忙
しい事と言ったらありません。 目を奪われる景色に加え、標識や看板を読み
続けるのですから。

レストランやクラブでお酒を飲みながら、ウエイターやホステスの女の子達に
タイ語がうまいうまいと褒められて(もちろんお世辞です)、訊いた相手の名
前や自分の名前をタイ文字で書くと、一様に眼を丸くして驚いていました。 
タイ文字を読み書きする日本人はあんまり見た事がないようです。 何度か出
張を重ねる内に、彼らともすっかり顔なじみになってしまい、尋ねる度に駆け
寄って来るまで親しくなってしまいました。

仕事で訪問する現地の銀行の担当者とも、ビジネスは英語で行いますが、お互
いに会話にタイ語を交えるようになり、何人かの方とは帰国してもタイ語でe
−mailを交わす事になりました。 もちろん、まだ手紙を交わすには実力
がとても届かず、ほとんど一方通行のメールですが。 

ところでこのe−mailが交わすのが最初は大変厄介でした。 PC上にタ
イ語の表示をさせる事自体は、Windowsの外国語ライブラリの取り込み
でなんとかなるようですが、書く方は簡単には行きません。 散々試行錯誤し
たあげく、結局一台のPCを完全にタイ語仕様とした方が早いことに気付きま
した。 つまり、タイで普通に使われているPCと同じものを作ってしまえば
いい訳です。 

幸いPCは何台も持っているので、そのうち一台をハードディスクのフォーマ
ットからやり直して、タイの露店で買ってきたタイ語Windows(海賊版
なので、ただ同然でした)をインストールする事にしたのです。 実はこれも
難関でした。 インストールして行くと、ところどころでメッセージが出てき
て細かいインストール方法を選択してクリックしなければならないのですが、
そのメッセージがタイ語で良く分からない!(爆)  

これには苦しみましたが、結局更にもう一台のPCを犠牲にして、そちらには
日本語Windowsをインスト−ルし直すことにして、言語の違う2台のW
indowsインスト−ルを同時並行で行うことにしました。 ほとんど同じ
画面展開ですので、日本語Windows側を見れば、タイ語Windows
のメッセージも推測できる訳です。

タイ語のPCで厄介な事は、もうひとつ、キーボードがありました。 表音文
字のアルファベット(つまり日本語で言えばひらがなやカタカナ)とは言え、
子音文字と母音文字を合わせると軽く50は超えていますので、ほとんどのキ
ーはシフトキーを押した時と押さない時とで、2つの異なる文字を持っていま
す。 しかもその文字が複雑な「象形文字」と来ていますから、ちょいとキー
にマジックインキで書いてごまかすと言う訳にも行きません。 運良く東京・
秋葉原のPC専門店が限定商品として若干数だけタイ語のキーボードを入荷し
ているのを知り、入手することができました。

さて、参考書をとっかえひっかえ開いて頭に叩き込んで行く訳ですが、もはや
中学生時代の時の様に、テキストを丸暗記するなんて芸当はかなり辛く、また
根気もなかなか続きません。 そこで大きな分厚いノートを用意し、単語帳よ
ろしく覚えたい単語やフレーズを次から次に書き込んで行く事にしました。 
何ページか書き溜めたら一休みをし、まずタイ語の列を隠して、日本語の列を
読みながら、対応するタイ語が言えて更にタイ文字で書き取りできるように練
習を行いました。 やはりしゃべること、書くことが優先です。 何度やって
もまず最初は覚えられません。 10回やってもほとんど覚えてない(笑) 
本当に情けなくなります。 でもあきらめずにやるのです。 ノートを作るの
には場所が要りますが、この記憶作業は電車の中でもどこでもできます。 特
にトイレの中は集中度が高く(笑)記憶がはかどるから不思議です。  

これがある程度できるようになってから、今度は逆に日本語を隠してタイ語か
ら日本語の意味を記憶する訓練をしました。 この順番は今でも正しいと思っ
ています。 自分が話せたり書けたりするものは、聞いても読んでも必ずわか
るけど、聞いたり読んだりしてわかるものは、自分が必ずしも話せたり書けた
りできるとは限らないからです。

こうして私のタイ語熱は収まるところを知らず、1年もたった頃にはタイ文字
も完全に覚え、基本会話はへたくそながらもひと通りできるようになっていま
した。 (そのままあともう1年続けていたら、おそらくモノにできていたの
ではないかと思います。)

しかし、アジアの担当としてアジアの世界を飛び回るようになってから始まっ
た私の人生の3回目の転機(1度目はアングロ・サクソンのアメリカとの出会
い、2度目はラテンのスペインとの出会いでした)は、これだけでは終わらな
かったのです。

次々に新しい世界に次々に触れて行く内に、1年以上も熱中し情熱を傾けて来
たタイ語を放り出してまで取り付かれた、それまで決して想像すらできたなっ
ような、不思議な魅力に溢れかえった新しい世界に遭遇してしまう事になった
のです。

(次号へつづく)


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随時掲載記事コーナー
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■■ 掲示板

今週は51歳で中国語に挑戦されている男性、ペキニッシュ・ミエさんが登場
して下さいました。 イタリアにすっかり根を降ろされたご様子のMiyaさ
んは、アジアを遠く離れた地で、フィリッピン人と出逢って魅力溢れるアジア
人の素晴らしさを再認識されておられました。 


■■ 現在実施中の語学に関するアンケート中間集計結果の分析について

【回答を下さった方の年代別・性別人数】
      男性  女性
 20代  0人  2人
 30代  2人  9人
 40代  4人  4人
 50代  0人  3人
  計   6人 18人 (男女合計で24人)


【現在知識のある言語としてあげたもので多かった言語】
 1位:英語    92%の方が
 2位:ドイツ語  25%の方が
 2位:フランス語 25%の方が
 3位:スペイン語 17%の方が
 3位:イタリア語 17%の方が


【興味のある言語としてあげたもので多かった言語】
 1位:イタリア語 38%の方が
 1位:北京語   38%の方が
 2位:韓国語   33%の方が
 3位:スペイン語 29%の方が
 4位:フランス語 21%の方が
 4位:広東語   21%の方が


と言う事で、現在知識のある言語としてはダントツの英語以外では欧州4大語
のドイツ、イタリア、フランス、スペイン語。

これから学びたいと言う興味のある言語となると、欧州4大語の中ではイタリ
ア、スペイン語が根強い人気を見せる一方で、中国語(北京語・広東語)、韓
国語の漢字文化圏の言語に対する関心が極めて高い状況がはっきりと現れてい
ます。 これは何年か前まではおそらくなかった現象なのでしょうね。 近年
の中国の経済面での台頭、日韓友好ブームの進展が大きく影響しているものと
思われます。

更により多くの皆さんから回答を頂ければ、もっと色々な傾向が見えてきて大
変興味深いデータがとれるのではないかと思います。(年代別、性別の傾向と
か) ぜひこの趣旨をご理解頂いて、回答をお寄せ頂ければと思います。


■■ こんな勉強素材もあります

これは無料の素材です。 タガログ語に興味のある方には絶対にお薦めです!
MagTagalogと言うフリー・ソフトです。 ご存知の方も多いかもしれませんが
日本語や英語の単語を入力すると、タガログ語の例文が、タガログ語の単語を
入力すると、その単語を使った例文が日本語訳、英語訳と共に表示されます。

これは楽しく便利ですね。 更に素晴らしいのは、自分で単語や例文をどんど
ん追加辞書登録できる点です。 データファイルはCSV形式なので、ちょっ
とPCに詳しい方なら、エクセルで一覧にして辞書の編集がすばやく簡単にで
きます。発展性、応用性があって楽しく活用できそうです。 エクセルで覗い
た所、例文は451件登録されていました。 サポート・ホームページのリン
ク集にある「ま・い〜か」サイトで入手できます。

探したらイタリア語にも便利な学習フリー・ソフトがありました。 「イタリ
ア語活用練習ソフト」で、これもリンク集から「独学者のためのイタリア語学
習情報」サイトに行くと、ダウンロードのページがあります。


■■ 外国への架け橋

韓国への架け橋ページにある「朴成龍の尚州レポート」では、韓半島中央部の
農村に住む朴さんが、独特の眼で野の草花や田園風景の写真を寄せられていま
す。 韓国語(ハングル文字)用掲示板には、その後も同氏から撮られた写真
を次々に掲載されています。 どの写真を見てもその優しい心が伝わって来る
ようだと、イタリアのMiyaさんも絶賛(でしたね!)されていました。

日本の農村風景と違和感のない雰囲気がとても興味深いと思います。 同氏の
お母様が家の壁に柿を干している図などは、まるで日本です。 韓国に興味の
ある方はぜひご覧下さい。

それではまた来週! お元気で!


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(オンライン商品ご紹介)
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【秋の童話 オータム・イン・マイ・ハートDVD-BOX(7枚組)】
超人気の「冬のソナタ」より絶対に感激する超純粋愛のドラマ!
■第1回から最終回まで常に連続して涙を流させるドラマが他に何処にある?
■外国語ing My WayのWebmasterがイチ押しの韓国ドラマです!
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音声:韓国語:DD(ステレオ)/日本語:DD(ステレオ) 字幕:日本語字幕
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【大人気の「ヨン様(=ペ・ヨンジュン)」出演の純愛ドラマのDVD-BOX 下巻】 
音声:韓国語:DD(ステレオ)/日本語:DD(ステレオ) 字幕:日本語字幕
http://www.store-mix.com/ko-bai/product.php?afid=1944699&pid=111423&oid=311&hid=36335  

『冬のソナタ』で始める韓国語 シナリオ対訳集 出版社:キネマ旬報社
http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/002cb39c.474ae781/?url=http%3a%2f%2fwww.rakuten.co.jp%2frbooks%2f610436%2f%23545865

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