14:食事に困らないイタリア |
こっちに住んでいると、食事に困りませんかと聞かれますが、イタリアは、その点めぐまれていると思います。 なんといっても、イタリア料理、おいしいくて安い! もちろん、高級レストランには行きませんが、ピザレストランや、トラットリアと呼ばれる大衆食堂みたいなところは、お手頃で、そしてとてもおいしいです。 一杯80セント(約100円)のハウスワインを飲みながら、日本の居酒屋みたいに揚げ物や前菜を少しずつつまんで夕食を軽く済ませる事もできます。 私のお気に入りは、ポルケッタという名前のひき肉の丸いコロッケ。 たいてい手作りなので、お店によって味が違いますが、ポルケッタが名物のお店は揚げるそばから売れて行くので、いつも揚げたてをくれて、外はカリカリ、中は柔らかくジューシーで、赤ワインと一緒にホクホク食べると何個でも食べられる気がします。 しかし、やはり時々お米が懐かしくなります。 そういう時は、リゾット。 辞書を見ると、お米をスープなどで炒め煮した料理とありますが、具に野菜や魚などを使い、種類が豊富です。そして、小さなスーパーに行ってもお米は数種類売っていて、リゾットの具やライスサラダなど目的に合わせてお米も使い分けます。 リゾットの中でお気に入りは、シンプルなグリーンピースのリゾット。 炒めたタマネギとコンソメスープで煮るので風味は違いますが、日本の豆ご飯を思せます。 そして、このリゾット、私は炊飯器で作ります。もちろん、お鍋でスープを注ぎながらかき混ぜて作る方がおいしいのですが、無精な性格なので、簡単にできる炊飯器を頼ってしまいます。 まず、お米を洗って(イタリア人は、お米を洗いません)水は少なめに。固形スープを入れ、具によってはトマトピューレも入れ、小さく切った野菜を上にのせて、スイッチを入れます。 水加減や塩加減は、勘で入れます。 小さく切ったベーコンも野菜に合うのでよく使います。 そして、私のためにご飯を炊き上げてくれた炊飯器に感謝しながら食べますが、残ったリゾットは冷蔵庫に入れ、また次の日に食べます。 この時もコツがあって、鍋に入れたリゾットに牛乳を加えるのです。 キノコのリゾットには、よく生クリームを入れるのですが、それからヒントを得て、牛乳を加えるとまろやかに仕上がるし、粉チーズを入れると完璧! ただし、トマト味のリゾットには、あまり合いません。 あと、日本料理の代表的調味料と言えば醤油ですが、これも案外いろんなものと相性がいいです。 まず、モッツァレラチーズ。 白くて柔らかい丸いチーズですが、これを薄く切って、醤油をかけるとびっくりするくらいおいしいです。私のスペシャルレシピは、これにワサビふりかけをかけます。ちょっと辛みがきいて、チーズのコクと醤油の香りが絶妙に合います。 野菜サラダにも醤油が活躍します。(日本には醤油ドレッシングがありますが、もちろんこっちには売っていません。) まず、淡白な味の葉野菜を刻んで、醤油とお酢を少し、隠し味にゴマ油を入れると簡単に和風サラダになり、白飯にも合います。 これは、こっちの人たちにも好評で、油も少ししか使わないので軽く食べられます。 あとは、揚げ物にも醤油をかけて、無理矢理天ぷら風にしてみたり、ミラノ風コトレッタなんて、”ミラノ風”って名前がついているのに、醤油をつけたとたん、一瞬にして和風になります。 こうして、何年かこちらにいると、すっかり料理にも適応して、朝食から夕食までイタリア式でも平気になってきました。 でも、日本に帰ったら、一番に何が食べたいかといったら”がんもどき”です。 油揚げでもいい。 味のしみたやつを白いご飯と一緒に汁をたらしながら食べたいです。 |
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