miyaのベネチアレポート
06:miya、怒られる
今日、アルバイト先の人とケンカをしました。
というか、口答えできるほどの能力は持っていないため、私が一方的に怒られたのですが、その事を報告します。

私はお昼ご飯を食べようとしていました。
前の日は、事務所の人の誕生日だったため、彼女がみんなのお昼用にとパンとハム数種類とチーズを大量に持って来てくれました。
こちらでは、誕生日の人が、みんなに祝ってもらうために何かおごるのが風習になっています。
しかし、大量だったため、余ったものは冷蔵庫の中に入れてありました。

そして、今日のお昼、パンを温め、持って来たサラダを食べながら、「昨日のハムがあったらバランスいいなー」と思っていると、ちょうど従業員のBがやってきて、冷蔵庫の中からハム等の入った袋を取り出しました。

私の目の前に置いたので、私も手を伸ばして「prosciutto cotto(ハムの一種)、ある?」と、目当てのハムを取り出して食べようとしたら、いきなりBが怒りだしました。
B:「オレが準備しているのに、オマエは許しも得ずに勝手に食べるのか!」とすごい剣幕です。
Miya:「何、このハムが食べたかったの?まだあるわよ。」
B:「違う! オマエは、オレが冷蔵庫から出した袋から、勝手に取り出したんだ! こういう時は、一言いうべきだろ!」と出て行ってしまいました。

ううーん、食べていいかとちゃんと聞けば良かったかもしれませんが、それにしても、これくらいの事で声を荒げる必要はないはずです。
それに、このB、ちょっとヤク中も入ってて、良く思っていなかったので、素直に謝る気にもなれませんでした。

確かに、こっちの人たちって、日本人が思っている以上に周りの人に気を使います。
道を通してもらう時に声をかけたり、ちょっと何かを頼む時にも"per piacere, 〜"と、お願いの言葉を付け加えます。

そして、そんな事件もすっかり忘れて午後の仕事を開始したら、ケンカの現場にいたKがやって来ました。
K:"あなた、Bを怒らせてしまったわね。"
M:"でも、怒り過ぎだわ。"
K:"あの時はあなたも悪かったわよ。だれでも失敗はあるんだから、その時は謝りなさい。"
M:"それでも、あんなに怒る必要はないわよ。謝るも何も聞いてくれないじゃない。"
K:"そうだけど、ちゃんと次の時は謝りなさい。謝っても何も減らないわよ。"と、立ち去り際に私の腰をパンと叩いて行きました。

気分が悶々としましたが、でも、ちゃんとそう言ってくれたKは、有り難かったです。
そのすぐ後も、ちょっと離れた所で私の方を振り返り、ニッコリとされたので、私も思わずにっこり仕返し、Kみたいにもうちょっと器の大きい人になりたいと思いました。
このまんまじゃ子供みたいです。

ちゃんと思ってる事、考えている事を理論立てて人にわかるように話せるように、基本的な事ですが、日本人ってこういう事が苦手じゃないですか?
これじゃあ、口げんかにも勝てません。
でも、日本語でもモゴモゴしてしまうのに、怒って興奮した時なんか、イタリア語でうまくしゃべれないしなー。
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