03:携帯電話とアリ |
"02: イタリア人の口説き方"で、ステレオタイプなイタリア人男性の事を書いてしまったので、まったくそんなことない人の話もいつか書こうと思っていたら、いきなりいいネタが降ってきました。 ちょっとヌけてて、内気で、女の子を口説いた事ないんじゃないかと思うくらい不器用な人、それは私の彼のFです。 だいたい、初めて二人きりで出かけた時に、"初めて会った時に、君が履いていた5本指の靴下が気に入った"とわけのわからない告白をするなんて、女たらしイタリア人のイメージをぶちこわしてくれます。 そしてその彼が、さきほど私の携帯電話にこんなメッセージを送ってきました。 "mi sono entrate 2 formiche dentro il telefonino!" "2匹のアリが、ボクの携帯に入ってた!" いったいどういう事??? すぐに電話して聞いてみましたが、携帯のディスプレイ画面に2匹のアリが入り込んで歩いているそうです。 F:"すごく小さなアリなんだよ。ディスプレイの中を歩いていて、なんだかゲームを見ているみたい。" M:"いつ、どこでアリが入り込んだの?" F:"わからないよ。でも、すぐに死んじゃうだろうね。" いったいどういう経由で、アリが精密機器である携帯電話の中に入ってくるのか? 不思議でたまりません。 数カ月前から、携帯の調子がおかしいと言っていましたが、今回のアリによってさらに悪化しない事を祈るばかりです。 そういえば、以前、私の携帯電話にも、羽毛が入り込んでいました。 でも、これは、羽毛のジャンパーを着ていて、ポケットの中に携帯を入れていたら、羽毛まみれになってしまっていたという明確な原因があります。 この時も、ある日突然、ディスプレイ画面に羽毛が入っていたのですが、別にジャマにならない位置だったのでほったらかしにしていました。 しかし、日を追うごとに数が増していったので、掃除する事にしました。 中を開けてみると、たくさんの小さな羽毛が入り込んでいて、きれいに取り除いてやると、その後は格段に操作性が上がりました。 さて、ヌけてるFと2匹のアリたち。 のほほんとした情景を思い浮かべてしまいますが、彼が送ってきたメッセージはなかなか難しいです。 mi sono entrate 2 formiche dentro il telefonino! mi: 英語のmeにあたる sono: essereの3人称複数現在形、 英語のbe動詞にあたる entrate: entrare(入る)の過去分詞複数形、 英語のenterにあたる essere + entrato(主語によって語尾変化)の形で直説法近過去を表す ここでは、2匹のアリ(複数形女性名詞)なので、sono entrateと変化 formiche: formica(蟻)の複数形 dentro: 〜の中に、英語のinsideにあたる telefonino: telefono + 〜ino "〜ino"は接尾語で、小さいものという意味になる。 ここではtelefono(電話)の小さいものという意味で、携帯電話を指す。 どこが難しいかって、"mi sono entrate" 主語によって、動詞の語尾が変わる事です。 そして、さらにこの場合は、最初に"mi"がついていて、とてもイタリア語らしい語順(英語の文法しか知らない私にとっては、混乱するばかり)。 "私にこういう事が起こったんだよ"とでも強調したいのか? こういった表現は、私はまだまだ使えません。 メッセージとして字で見たからわかったものの、会話で出てきたら、正しく理解できなかっただろうと思います。 まだまだ、イタリア語の道のりは長いです。 |
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