18:学校の友達と夕食会(?) |
学校の友達から「明日、みんなで夕食を一緒にするから来ない?」と、お誘いのメッセージが携帯に入りました。メンバーは、9月末に学校で開催したグラフィックフェスティバルのスタッフたち。フェスティバル3日めの最終日は、みんなクタクタで、しかも次の日から学校の授業が始まり、打ち上げも何もできなかったので、今回、またみんなで集まれるなんてステキ!と喜んで参加する事にしました。 当日、集合場所は学生が集まるサンタマルゲリータ広場のとあるカフェに夕方7時。でも、7時って時間、ちょっと早いなーと思いながら広場に行くと、やっぱり誰もいない。しかも、集合場所のcafe rosso(カフェ ロッソ)って、意味は「赤いカフェ」。多分これだろうなあと思う所には知らない人ばかり。広場は大きく、他にも赤のようなオレンジ色のようなカフェもあり、どこだろうとウロウロしていると、ようやく一人、顔見知りの子を見つけました。 その子も夕食に誘われたうちの一人なのですが、場所を見つけられず、誰もいないのでウロウロしていたそうです。「私っていつも時間通りに行動するのよ。みんなが遅れてくるのは知ってるけど、私ってこうなのよ。知らない場所でも早めに行っちゃうのよね。」と、ペルージャ出身のその子は言っていました。時間に遅れるのが当たり前のイタリア人の中にも、時々こういうきちんとした人がいます。周りの悪習に染まる事なく、確固と独自の規律を保つ人がいるのはすごいと思いますが、たいてい頑固者です。 さて、二人で集合場所らしき赤いカフェに行き、spritzというベネチアでよく飲まれるカクテルを飲みながらおしゃべりをしました。spritzは、白ワインに炭酸水、そしてaperol(アペロール)というリキュールを入れたカクテルで、aperolの代わりに好みによってはbitterやselectというリキュールを入れる事もあります。ワインは安いけど、おじさんの飲み物というイメージがあるので、学生たちはみんなこのspritzを飲みます。色がきれいなオレンジで、かつ、一杯 が1,60euroと日本円にして約220円と安く、ちょっと食前に一杯という風に飲まれます。 ひととおりおしゃべりして、時計を見ると7時半は過ぎてる。どういう事?もしかして、私たち二人だけなの?とか言いながら、メッセージを送ってきた相手に電話してみると、電話は切れてる、、、。もしかしたら、電波の届かない所にいるかもという事で、もうちょっと待つ事に。そして、もう一杯spritzのおかわり。 そして、メンバーが現れたのは、なんと8時過ぎ。ちょっと、連絡ぐらいしてくれればいいのに!とろあえず、メンバーがそろったのでもう一杯、乾杯のためにおかわり。このspritz、リキュールとワインとのチャンポンになるせいか、けっこう酔います。おまけに空きっ腹だったし。 ようやく9時前になって、近くのピザ屋へ行く事になりました。 やっぱり、イタリア、こういう時もピザです。学生たちが、夕食を外でとるときは、たいていピザ。理由は安くてお腹いっぱいになるから。でも、こちらでは、週末になると、友達同士で毎週ピザを食べに行 くのが習慣のようになっています。女の子を誘う時も「一緒にピザ、食べに行かない?」って言うのが定番だし、本当によくピザを食べます。 さて、集まったメンバーは約15人。既に予約してあったので場所は確保してありましたが、それでも大人数です。めいめいにピザとビールを注文して、楽しくおしゃべりしながら食べました。私の隣に座った子は、日本の話題を振ってきて、アニメの事になると、あれ知ってる?これは?と質問攻めになりました。 こちらでは日本のアニメをよく放映していますが、私が子供の時にやっていたような古いものでも、まだまだ現役でやっています。 「釣りキチ三平は?僕のおじさんが漁師だったから、三平を見ながら研究してたんだよ。それを一緒に見てたんだ」「三つのロボットが合体するやつ、なんてな名前だたけ。カッコよかったなー」「幼稚園の時、キャッツアイごっこしてて、誰がお姉ちゃん役やるかとかでもめたりしたわ」みんな、まだ二十歳そこそこの学生だけど、小さい時の事を懐かしそうに話しだしました。 世界中、日本のアニメがあふれていて、日本の文化が広まるのならもっと高尚なことのほうが良いのにと思っていましたが、私が子供の時も、アニメは大好きだったし、同じ物が世界中で見られているというのも悪くないなとこの時、初めて思いました。今まで、こっちのアニメ好きというと、まるで日本のオタクのようにマニア化してして、ついていけなかったのですが、普通に、子供の時に好きだったのよねと言われると、世界中のどんな国でも、子供たちはアニメの世界が好きで、日本のアニメが広まっているのも、その質の高さの現れなんだと誇らしく思えました。聞くところによると、日本のアニメは諸外国の物よりもお行儀が良くて、汚い言葉も使わないので安心して放送できるそうです。 一方では、女対男に分かれて「Tバックがいいか普通のパンティーがいいか」を言い合っていました。女の子たちは、案外、普通の形を好むようです。「Tバックなんて、サラミにでもなったみたいじゃない!」って。反対に、男の子たちはTバックの方がいいようです。でも、ある女の子 が「Tバックとヌードだったらどっちがいい?」と聞いたら、男の子たちはとたんにモジモジして、「場合にもよるよ、、、」と答えられずにいました。 かわいらしい男の子たち。うちの学校の生徒たちは、真面目で親切でスれていなくて、軽佻なイタリア人という一般的なイメージからはびっくりするほどいい子たちばかりです。でも、それも大学の中での事。大多数の若い子たちは、口先ばかりで働かないし、すねかじりでどうしようもありません。 でも、先日、テレビで女性の討論会をやっていました。テーマは今時の若い子たち。 真面目そうな女性が、「あんな派手なメイクして、お腹出してミニスカートはいて、男の気を引こうとしてみっともないわ!」と言えば、反対側の上品そうなおばさんが「私だって、昔はああいう女の子だったのよ!化粧して、男の気を引こうとしてたのよ!あの子たちの気持ちがわかるわ!」と言って拍手喝采を受けていました。ごもっとも。いずれ、みんな年をとって落ち着くんです。そういう人生の過度期があって、そのおばさんのように、 さらに人の深みが増すようになるのかもしれません。 ところで、前述の夕食会ですが、12時前までみんなで楽しくワイワイやって、2, 3人が電車の時間があるからと帰る準備を始めたので、お開きになりました。しかし、残りのみんなはまだまだ飲み足らないらしく、二件めに行くようなことを言っていたので、私は家に帰る事にしました。ベネチア、そんなに遅くまで開いている店もないのに、どこへ行ったのでしょうか。前に一度、それくらいの時間に一緒に行って、どこも閉まりかけていて、ただみんなでブラブラ歩いているだけだった経験があるので、今回はさっさと帰りましたが、そういうただブラブラするのができるのも、学生の特権かもしれません。 |
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